サウジアラビア:女性の離婚訴訟増加
2014年03月19日付 al-Quds al-Arabi 紙


サウジアラビア:一月半の間に127人のサウジアラビア人女性が離婚を要求、理由は愛情の欠如

【リヤード:本紙】

裁判所では、離婚を求める女性たちの声が高まっている。女性からの離婚訴訟および確定は先月から今月半ばまでの一ヶ月半の間で127件に上る。一方で、93人の男性が妻に対して「従順に」元の家庭に戻るようにとの訴訟を起こしている。

対立する両親に挟まれて、子供たちは困惑している。彼らは何の関係もない家族間の争いの渦中にいるのだ。この中では、子供たちとの面会に関する訴訟は75件に到達しており、平均すると毎日5件?の訴訟がおきているということになる。

既婚者2人の問題から結婚しようとしている者たちの問題に至るまで、メッカとジーザーン州[訳者注:サウジアラビア南西部に位置する州]ダムド県の裁判所が受け付けた訴訟の中には、女性の側から保証人無しで結婚させることに対して行われた4件の訴訟が含まれている。同様にリヤードの一般裁判所は、DNAを利用した血縁の確定もしくは否定のための2件の訴訟を記録した。さらに同地では医学的方法によらない血縁関係の証明に関する訴訟も行われ、またメッカでも同様の例が見られた。

弁護士兼法律顧問のアブドゥッラー・ジャアブール氏は、裁判所内での夫婦や家庭内の争いに関して、夫婦の間の亀裂、結婚生活を営んで行く上での精神的素養の不在、また思いやりや安らぎの欠如といった事柄に理由を求めた。そしていかなる夫婦に対しても以下のコーランの一節を鑑みるようにと呼びかけた。「またかれがあなたがた自身から、あなたがたのために配偶を創られたのは、かれの印の一つである。あなたがたはかの女らによって安らぎを得るよう(取り計らわれ)、あなたがたの間に愛と情けの念を植え付けられる。本当にその中には、考え深い者への印がある。」[訳者注:クルアーン第30章21節]

ジャブール氏は次のような見解を示している。「夫が妻を愛するならば、夫は妻を傷つけたり害したりするような気に駆られてはならないし、また妻が夫に接する場合でもそれは同じです。。」

また同氏は以下のように話した。「こういった事柄は法的な手続きを必要としません。それは親しみや愛情、また個々を尊重する素養と、家族それぞれが集まる強固な絆を持つ家を作ることへの欲求を必要とするだけです。」更に付け加えてこう語った。「暖かく愛情にあふれた環境の中で父母と共に暮らせない子供たちに罪はない。」この痛ましい数値と、それに終止符を打つためのより高い水準の研究が必要であることを示唆しながら、夫婦が決定を下す前にその責任をまず感じることを、同氏は要求した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:岸本聖美 )
( 記事ID:33277 )