ギュル大統領からギュレン、イスラム世界に向けた密かなメッセージ
2014年04月13日付 Milliyet 紙

政権とギュレン教団の間に走る緊張は、今年宗教庁が催した預言者生誕週間の活動に異なる様相をもたらした。政府が教団と諸教団に対して宗務庁を前面に押し出す政策をとる中で、預言者生誕活動が政府トップの参加とともに祝われ始めた。アンカラ・アリーナ競技場での開会式には、アブドゥッラー・ ギュル大統領が参加した。ギュル大統領は開会式に2時間半以上も滞在し、式での演説で国内および中東で事が展開しているイスラム世界に向け、重要なメッセージを表明した。同大統領は「我々がお互いに誠意を示すこと、私たちの本質とことばが、内と外が一つになることが何よりもまず健全な社会となるための最も基本的な条件となると強調したい」と述べた。

■共和人民党の党首も参加

預言者の1443回目となる生誕記念日は、トルコ国内では今年、政府トップがより多く様々な活動に参加することで祝われ始めた。アンカラ・アリーナ競技場でメフメト・ギョルメズ宗務庁長官と夫人がホストとなり行われた式典にはアブドゥッラー・ギュル大統領、ハイリュンニサ・ギュル夫人が参加した。ほかに共和人民党のケマル・クルチダルオール党首やエムルッラー副首相、行政裁判所のゼッリン・ギュンギョル長官や多くの国会議員らがみられた。拍手喝采の中、競技場に入ったギュル大統領と夫人は貴賓席にいる人々と握手した。公正発展党のヒュセイン・タンルヴェルディ国会議員はギュル大統領夫人と、大臣の夫人もギュル大統領とは握手しなかったことは注目を集めた。イスタンブルで14日行われる活動にはレジェプ・タイイプ・エルドアン首相も参加する予定だ。

■宗教とは誠実ということ

「宗教とは誠実ということ」というスローガンのもと行われた式典で礼拝や祈りに合わせて預言者の生涯が語られた。ギュル大統領は2時間半以上参加した式典で演説した。会場の多数の人びとが関心を示し、拍車喝采を受けた大統領は要約して以下のように述べた。

■悲しむべき状況

「そして、我々がいるこの時代において、繰り返してはならない過ちが堆積した結果、イスラム世界では近年、避けがたい反乱が起こり、人々が正当な要求を掲げて広場に現れ始めた。時代を特徴づけるような指導者の交代が一部の国では非常に効率的に実現する方向に進む一方で、現状を守ることを頑として主張する国々では荒廃を呼び、国民を血と涙にむせばせ、もしくは継続不可能な政策をとって国を数十年前に後退させた。

我々はイスラム教徒としてこの痛みを深く感じ、負うことになった相互の助け合いを体現する一方で、他方でこの悲しむべき状況から知恵を働かせて抜け出す術をこれらの国に示さなければいけないということは疑いない。

■我々は深く誠実さを試されている

宗教庁が今年の預言者生誕週間の重要テーマとして、誠実というテーマを選択したことは意義深く、評価している。私はこの機会を捉えて以下のことを再び言いたい。 我々は誠実な形で、自ら率先して自分たちの周りに目を向けなければならない。善意と安定した努力を続けて、我々の行く末を吟味する必要がある。またこの社会のあらゆる信仰集団がそれぞれの帰属・属性を安心し永く保てるとの保障を取り付けねばならないし、またこの点で良心と道徳的な観点から責任を感じるべきなのだ。

私は今日、預言者への敬愛が、彼に連なることが、何にも増して深い誠意を必要とさせているのだと思う。千年を超える我々イスラム教徒の歴史における共通の特徴は信仰における誠実さである。人々は関係をアッラーとどう取り結ぼうとも、周辺の人びととも同じように取り結ばなければならない。現在、我々も皆と同じように深く誠実さを試されている、と受け止めねばならない。アッラーと預言者ムハンマドとの関係の核心は誠実を基に構築された。では、ほかの人びととは、我々自身と、自然とあらゆる存在と取り結ぶべき関係の信仰上・道徳上の基盤はどうなるだろう?これをきっかけにこのことについて我々みんなが再び考えねばならないし、皆が自分自身に問いたださなければならない。これで話を終わりたいと思いますが、我々がお互いに誠意を示すこと、私たちの本質とことばが、内と外が一つになることが何よりもまず健全な社会となるための最も基本的な条件となると強調したい。預言者生誕週間の預言者ムハンマドのメッセージが正しく理解・認識され、すぐに全面的に内面化されることで我々へ新たな扉が開くことを強く求めたい。あなた方すべてに愛を持って敬意を示し、お別れを申し上げたい。ありがとう、万歳。」

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( 翻訳者:星井菜月 )
( 記事ID:33491 )