■ スカニア社のバスは遠距離用?それとも近距離用?
スカニア社製のバスが起こした血塗られた事故に対し、多くの仮説が提起されている。その中でもっとも重要なものが、警察の専門チームが事故現場の調査で得た結論である。
エンジンに深刻な技術的問題・欠陥がある、特にガソリン・タンクがエンジンに近いという問題が指摘されている。同社製のバスの構造がイランの街道に合っていないというのも、識者らから指摘されている問題である。例えばエスファハーン検事は昨年、スカニア社製のバスによる街道での事故が続いていることを受け、スカニア社製のバスはヨーロッパでは都市内部での利用が主であるのに対し、イランでは都市と都市を結ぶために利用されていると強調している。
車両の汚染や安全性について試験をすることのできるイラン唯一の実験施設であるイラン品質・基準調査社のナビー・ビーデハンディー代表も、それからしばらく後にイラン学生通信とのインタビューの中で、エスファハーン検事の指摘を支持した上で、〔‥‥〕重量の重いバスや大型車両に対する街道テストが行われていない事実を指摘し、こうした車両の基準をめぐるお寒い現実を明らかにしている。
同氏が強調するところによると、事故発生源となっているスカニア社のバスは、都市内部の往来のために製造されており、イラン国内ではどのような根拠で長距離バスとして利用されているのか不明であるという。ビーデハンディー代表はスカニア社製のバスを都市間の往来に用いるのを禁止するには、法的弱点やコスト面での問題〔を解決する必要性〕が存在するという点を指摘している。
同氏はスカニア社〔製の車両〕はヨーロッパ製の車両であると指摘し、「同社の車両は世界中で用いられている。しかし同社の車両は〔世界では〕街道試験にかかわる施設で、つねに試験が行われているのに対し、イランではこうしたテストは存在しないのである」と付け加えている。
エスファハーン検事、そしてイラン品質・基準調査社代表の発言は、スカニア社製のバスがイランの〔都市と都市を結ぶ〕街道の状況にあっていないということを認めるものである。ここで疑問となるのは、なぜ都市内バスが都市間バスとして利用されているのか、という問題だ。こうしたバスが国内の公共交通の一翼を担うようになる前にテストが行われていないということに対し、なぜ基準庁は何らかのアクションを取ろうとしてこなかったのだろうか。どのような要因が理由で、警察はスカニア社製のバスに対するナンバープレートの交付をエスファンド月〔2014年2/3月〕から再開することで、同社製のバスが抱える根本的問題が取り除かれるまで、それらへのナンバープレートの交付を中止するとした自らの当初の立場を撤回してしまったのだろうか。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:33587 )