コラム:サウジ・イラン間の交渉は今後なぜ決裂するのか
2014年05月17日付 al-Hayat 紙
■サウジ・イラン間の今後の交渉はなぜ決裂するのか
イランのムハンマド・ザリーフ外相が、自身のサウジアラビアのカウンターパート(サウード・ファイサル外相)から招待を受けてリヤードに初めて訪問した。そして、これに留まらず今後おそらくハーシェミー・ラフサンジャーニー元大統領がジェッダを訪れるだろう。ザリーフ外相とサウジ国王は、再度友好的な話し合いを通じてサウジアラビアとイランの間に存在してきた90年代の氷切った関係を打破し、(関係修復の)機運を高めることで石油市場の最適化を図っている。両者は共に、ライバル国間、すなわちスンナ派とシーア派二つの世界の長の真の雪解けを中東がようやく迎えることを望んでいる。しかし、これらの交渉は最終的に失敗に終わるだろう。そしてわれわれは、再びわれわれの冷戦に戻っていく。あるいは、現在シリアで起きているような状況へとさらに悪化した事態に向かって歩を進めることになるだろう。このような事態を回避するには、イラン政府がその立場を変更し、バッシャール・アサド大統領の手から遠く離れた新しいシリアの建設に向けて、サウジ政府および国際社会との協力関係を構築する準備を進めることが条件になる。
私は以前このことを、ヨーロッパの首都で開催された研究者会合で話したことがある。会合には世界各国から研究者が参加し、その中にはイラン人の政治家もいた。その中には、現イラン外交顧問の他、ラフサンジャーニー元大統領の顧問を務めていた人物もいた。ラフサンジャーニー師は、政界内でのかつての自身の影響力を取り戻し、同胞のロウハーニー師を大統領の地位に据えた。また、ラフサンジャーニー師がサウジ政府とイラン政府間の対話の扉を再び開くよう尽力していることが、繰り返し指摘された。同師は、サウジアラビア人に対して、イランの国境が地中海東岸まで及んでいるというわれわれの上層部の発言(訳注:イラクからシリアを通りレバノンまでの地域はイランの一部と言う主張、前イラン革命防衛隊司令官が発言)を真に受けてはならない、われわれは最終的には話合いによって合意に到達しなければならないと呼びかけている。
私の発言に対し、「外交顧問」を務める人物は、次のように反論した。すなわち「わが国(イラン)は中東地域における平和・協力を実現し、サウジアラビアとの諍(いさか)いを終わらせたいと望んでいる。しかし、それにはサウジアラビアが「変わらなければ」ならない。そのためには、同国が現在の情勢とシリアにおけるパワー・バランスに生じている変化を受け入れることだ」。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:33887 )