■見聞(イランとの協議失敗)
【ジハード・ハーズィン】
ジュネーブで行われたイランと六か国の間の核協議は先週失敗に終わり、両当事者は新たに協議最終日を7月20日に決定した。6月中は交渉・会議が継続する。
今日は、今後の交渉も失敗するだろうということについて話そうと思う。イランと6カ国(安保理5常任理事国およびドイツ)の間の溝は深く、あまりに広過ぎる。この溝を埋めるにはどちらか一方が譲歩しなければならないが、私の見るところいずれの当事者も譲歩する気配はない。
イランは現在、ウラン濃縮のための約1万9,000基の遠心分離機を保有している。同国はこれをさらに5万基に増やしたいと考えており、現に核交渉を担当するイランのアリー・アクバル・サーレヒー外相は、イランが非軍事の目的で10万基の遠心分離機を必要としていることを述べた。一方、六カ国側はイランが現在保有する遠心分離機を6,000~8,000機に削減するよう求めている。またイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランに2,000~5,000機の保有しか認められないと述べた。
占領国家を治めるテロリストと称すべきネタニヤフ首相は、殺戮(さつりく)と破壊、離散の強制に明け暮れている。そして、彼自身、核兵器や化学兵器の兵器庫を保有しているにもかかわらず、シリアから化学兵器を剥奪することを要求し、またイランの核計画が中止されなかった場合には戦争に訴えると脅しをかけている。
米国はイスラエルの代わりに交渉を務めているが、現状において、または一千年先の未来においても、イランが米国の安全保障にとって脅威となることはありえない。私はこの交渉が失敗に終わるまでその経緯を追ってきた。米国のリクード党系メディアの記事にこんな文言があった、「際限なく核兵器を持つアフマディーネジャードを、あなたは信じられるのか」。では私はこう答えよう、ネタニヤフと彼の政権下にいる戦争犯罪人に比べれば、アフマディーネジャードの方が一千倍信用できると。アフマディーネジャード氏は、現在はイラン大統領ではなく、今後も再び大統領の座に就くこともない。ハサン・ロウハーニー現大統領はアフマディーネジャード氏を穏健派と述べている。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:33937 )