道路都市整備省顧問「我々が外貨市場に介入しなければ、レートはかつての水準に戻ってしまうだろう」
2014年05月21日付 Jam-e Jam 紙
アバデ・タブリーズィー財政顧問(khabareghtesadi.comより)
アバデ・タブリーズィー財政顧問(khabareghtesadi.comより)

 道路都市整備省の財政顧問であるホセイン・アバデ・タブリーズィー氏[※]は、「政府が外貨市場に介入しなければ、レートは以前の水準に戻ってしまうだろう」と発言した。

訳注:財政学の専門家。ハータミー政権下では経済財政相顧問や、テヘラン有価証券市場総裁を務めた。アフマディーネジャード政権下では、政府経済政策への批判者として知られる。2010年には英国留学から一時帰国した息子が、空港で反体制活動等の容疑で突然拘束され、現在もエヴィーン刑務所に服役中。なお、同政権期には、イラン初の民間銀行「新経済銀行」を設立した。

 同氏は昨日テヘラン大学経営学部にて開催された会議《第二次補助金改革の実行と、イラン・5+1交渉最終段階を中心とする、2014年最大の経済的変動の分析》において、以下のように付け加えた。

2006年~2010年度の間、外為の各レートの格差は拡大し、石油収入の使用が増大する傾向 にあった。

 同氏はまた、近年のインフレ率の上昇について触れつつ、こう述べた。

ここ数年、インフレ率の上昇に伴って消えたともし火のひとつは、政府予算である 。なぜなら、不況下において政府は歳出を削らざるをえないからだ。

さらに、同顧問は次のように発言した。

支出を増やしたいのなら、中央銀行から資金を調達するべきだったが 、政府はそういった措置を取らなかった。

 彼はまた、経済の専門家として、「我々が外貨の価格に介入するようなことをしなければ、すべてが以前の水準に戻るだろう。取引レートと自由レートの差が拡大すれば、不労所得[レートの差を利用して得る不当な利益]も増加するであろう」と強調した。

アバデ・タブリーズィー財政顧問は、こう続けた。

現在のところ、2つのレートはそれぞれ2650トマーン[公定取引レート]、3300トマーン[自由レート]と凡そコントロールされており、おおむね好調である。

 また、このように強調した。

外貨は国民の貯蓄となるべきではない。外貨レートは、銀行の金利以下であるべきだ。また、外貨レートが安定すると、我々は外国企業に補助を出してきた[訳者注:原文まま]。

政府はいくつかの側面で改革をしなければならない 。補助金改革の執行に留意し、インフレを抑制し、外貨レートを調整しなければならない。

 同顧問はまた、次のようにも述べた。

経済に対し脅威となる要素は多くあり、この懸念は5~10年先まで続くであろう。政府は経済の問題に対処しようという意志をもち、予算も好条件にある。

 また、こう強調した。

貨幣創出により、銀行システムを拡大すべきだ。銀行への返済停滞は金融的流通を滞らせ、住宅金融における一部の返済遅滞は期限を超え、価値を失っている 。

 彼はイラン経済の現状を打開する方策をいくつか示して、こう述べた。

単純な方法は、制裁を解決することだ。なぜなら、それにより経済が好転するからである。政府の負債を有価証券に換えるのだ。政府は自らの負債に無関心であるべきではない。有価証券はやがて、利益をもたらす存在に変化しうるだろう。


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( 翻訳者:8412102 )
( 記事ID:34171 )