セムナーン州遊牧民の危機的状況:干ばつにより家畜が大量死
2014年05月20日付 Jam-e Jam 紙
セムナーン州遊牧民の冬営地への移動(www.arshnews.irより)
セムナーン州遊牧民局のヘシュマト・ジャディーディー局長は、干ばつと、それに伴う家畜の大量死などの損害により、同州の遊牧民の状況が危機にさらされているとの認識を示した上で、次のように述べた。
現状を打開する唯一の方法は、公的予算による家畜用飼葉の確保と家畜の買い上げである。
ジャディーディー局長は以下のように付け加えた。
干ばつが続き降雨が少ないことにより、セムナーン州の遊牧民は、厳しい状況 に置かれおり、さらに広範な被害を被ることになるだろう。
同局長は、[放牧によって草を食べさせるのではなく]飼葉などによる飼育が、今年は昨年の2~3倍に増加していると指摘した上で、「セムナーン州の遊牧民が飼育する家畜のうち、既に2万5千頭が死亡しており、現在もこうした被害が続いているほか、生き残っている家畜も発育が悪く、感染症の拡大に拍車をかけてしまっている」と説明した。
IRNA(イラン学生通信)によると、ジャディーディー局長は次のように述べた。
セムナーン州では、農業ジハード省、農業銀行、牧畜支援公社が協力し、遊牧民に対し、家畜用飼葉を確保するための2億リヤール[約70万円]以下の融資を計画した。しかし、銀行への多額の負債が、この融資を受ける障害となっている。
ジャディーディー局長は、[放牧によらない]飼葉等による飼育が牧畜費用を大幅に引き上げているとした上で、次のように述べた。
現在いくつかの夏営地においてさえも、遊牧民たちは水と牧草の不足に直面しており、水の供給と飼葉の供給が行われている。
更にジャディーディー氏は、以下のように発言した。
これらの問題は、家畜の体重が極度に減少し、遊牧民の生産物を質・量ともに低下させる原因となっている。そしてこのことは、将来的に、我が国への家畜輸入の増加にもつながるであろう。
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( 翻訳者:8406055 )
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