イシュレル副首相、エルドアン批判のオーストリア外相を反批判
2014年06月13日付 Radikal 紙
エムルッラー・イシュレル副首相は、オーストリアのセバスチャン・クルツ外務大臣の発言に関し、「親愛なる我らがエルドアン首相は、どこで何を話すか、ご自身で判断している。誰も首相の発言を決める影響力は持ち合わせていないし、そのような制限もない」と述べた。
イシュレル副首相は、トルコ・カメルーン経済協力委員会会議の後、最近の出来事に関する新聞記者らの質問に応じた。
予定されているエルドアン首相のオーストリア訪問の前に、オーストリアのクルツ外務大臣が会見を行った。それに関しイシュレル副首相は、ヨーロッパには数多くのトルコ人がおり、以前も時折(トルコ側が)彼らを訪問していたと述べた。
副首相は、首相の在外トルコ人との交流に触れ、ドイツ訪問前にもドイツの政治家が論評を行っていたことに言及した。
イシュレル副首相は以下のように語った。
「オーストリア外務大臣が会見を行ったようです。もしこの会見が報道された通りなのであれば、今に至るまでどのような否定も受けなかったのでしょう。私は、そもそも今回の発言はデリカシーに欠けていたと思っています。外交的なルールに大いに反していたと思います。次のことは認識しておいた方がよいでしょう。我らがエルドアン首相は、世界中で知られている政治家です。12年もの間、首相を務めていらっしゃいます。彼がどこで、何を話すかはご自身で判断しており、誰も彼の発言を決める力も、制限をつけることもできません。このことは知っておいた方がいいでしょう。エルドアン首相は、彼が訪問してきた全ての場所で、その時に必要な最も正しいメッセージを、 いつの時も発してきました。最近の例としては、私たちがドイツを訪問した時のメッセージです。」
今まで首相がトルコ人が暮らす国の暮らし全般でその社会に参加できるよう望んでいたと主張したイシュレル副首相は、このために出来る限りの支援をしてきたと述べた。
同副首相は、在外トルコ人及び同朋社会庁が2010年に設立されたとし、この組織が、ヨーロッパや他の諸国で暮らすトルコ人や同朋社会にとって道しるべとなっていると主張した。
■彼らはトルコ語を忘れてはならない
イシュレル副首相は、在外トルコ人及び同朋社会庁として、トルコ人の暮らす在外社会において政治的、経済的、社会的、そして文化的に、彼らがそこでの暮らしに参加することについて必要な支援をしてきたと述べた。
副首相は、トルコ人が彼らの暮らす国の言語を流暢に話すことを首相が望んでいるとし、そうであっても、彼らはトルコ語を忘れてはならないと事あるごとに口にしてきたと述べた。
副首相はまた、このために首相はトルコ人は他民族との同化には反対しているが、参加という意味では他民族との統合を支持しており、このことについてもことあるごとに発言してきたと語った。
イシュレル副首相は、エルドアン首相がオーストリアで予定している演説が、恐らくこの範疇にあると指摘し、以下のように述べた。「訪問が実現したならば、首相がオーストリアで暮らすトルコ人の同胞たちにどのようなメッセージを託すのか、わかるでしょう。」
■モースルでの事態進展
モースルにあるトルコ総領事館への襲撃に関し、イシュレル副首相は、モースルでの事件は災いであるとして非難し呪い、以下のように述べた。
「モースルでトルコ総領事館に対し行われた攻撃と、職員たちが人質にとられたことは認められるものではありません。しかしながら、トルコ共和国は大国です。この件に関しては必要な準備をしているところです。必要なことは全て行います。私たちの最優先事項は、モースルにいるトルコ国民たちの身の安全です。実際、外務大臣の説明や、或いはこの事件を逐一追っている担当省の話では、モースルにいるトルコ国民の状態は良いとの情報です。絶対に、この問題は対処され、現地の同胞は無事にトルコに戻るでしょう。必要なことは全て行われます。あらゆる措置がとられました。あらゆる会合も行われました。勿論のこと、協力して対応していきます。」
■2人の学生が大臣に抗議した
一方、ウィーンで暮らす2人のトルコ人学生は、セバスチャン・クルツ外務大臣に対し、外務省前に黒い花輪を置き抗議を行った。セリン・ウチュンジュオールとヒュルヤ・オンジュの2人の学生は、セバスチャン・クルツ外務兼統合大臣のエルドアン首相に対する発言が報道されたことを受けて、外務省前に黒い花輪を置いた。新聞記者らに対し説明を行ったウチュンジュオールは、予定されているエルドアン首相のオーストリア訪問と演説に関し発言したセバスチャン・ クルズ外務大臣を非難した。行動の後、現場にやってきた警官が、学生たちの身分証明書をチェックした。
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( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:34292 )