レバノン:「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」よりも大きい古石造物の発見
2014年06月27日付 Al-Nahar 紙


■レバノン大学の学生と古物局が発見した「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」よりも大きい古石造物

【バールベック:ウィサーム・イスマーイール】

長年考古学者たちを、史跡バールベックの未知の海に漂わせてきたもの、それはローマ時代の「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」とよばれる石造物である。なぜなら、それは世界で最も大きな加工面を持つ石造物であるからだ。この巨石はバールベックの東の入り口にあるが、そこではかつてローマ人たちが古のバールベックの城塞を築くために、巨大な石を切り出し、加工を施し、これらの石材を運んでいたのである。

先頃、発見と言う意味でも、発掘作業を行う者トいう意味でも初めての、まさしく例のないことが起こった。ドイツの調査隊が発掘作業を完了しあぐねているのをうけ、レバノン大学と古物局のレバノン人たちが発掘作業を行なったが、そこで、ジャニーン・アブドゥルマスィーフ博士の監督のもと、レバノン大学の学生グループが、「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」としてもともと知られる石造物に比しても世界最大規模となる石造物を発見したのである。この石造物は大きさという点で「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」の記録を破った。

この偉大な考古学的発見がなされたのはローマ時代の石切り場においてで、現在の発掘作業の段階で確認されている長さは、17mである。しかしまだ周囲の発掘の第一段階であり、幅は5.7mを測るが、高さに関してはさらに調査の進行を待つ必要がある。

一方で、「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」は長さ21.5mでたり幅は4.8m、高さは4.2mで、その大きさは422立方メートルであると推定される。また、その重さはおよそ1,000トンであり、世界最大の加工された石造物であるとされてきた。

この歴史的考古学的重要な発見は、この事実を否定し、より大きな石造物が存在するとともに、バールベックという街が、その歴史的な土地の地中には多くの貴重な文物が眠っていることを証明している。発掘作業は15日間続き、数日後のラマダーン月の始まりと共に休止する予定である。

歴史的なバールベックの城塞から数メートル離れたところに位置する「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」の巨大さは、さまざまな物語や伝説が作られるきっかけを与えてきた。そして今、先史時代の人間がどのようにして、「ハジャル・ヒブラ(妊婦の石)」の大きさを超えるこのような石造物を動かすことが可能であったかということについて、学者たちの間で伝説や疑問が生まれようとしている。このような石造物について不思議で奇妙なことは、このような岩をどのように加工し、成形し、移動し、高い場所に設置したかということである。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:木戸皓平 )
( 記事ID:34477 )