内務省に続き最高裁判所共和国首席検事局もトルコ・クルディスタン民主党(T-KDP)の設立を認可し、地域(トルコ)で「クルディスタン」との名称を冠した団体の設立を望む者に希望をもたらした。県協会担当局への申請が「名称と規則が憲法違反」であるとして設立が認められなかったクルディスタン企業家・事業家協会は、この決定が前例となることに期待を寄せる一方、ある弁護士グループもクルディスタン法律家協会を設立するため正式に申請をおこなう準備をしている。
内務省に続き最高裁判所共和国首席検事局もトルコ・クルディスタン民主党(T-KDP)の設立を認可した。
最高裁判所共和国首席検事局の政治組織登録局による「その政党(T-KDP)は法人格を得る」との決定は、地域での「クルディスタン」という名称を冠した団体の結成を望むものたちに希望をもたらした
県協会担当局に提出された申請書が、「名称と規則が憲法違反」であるとして設立が認可されなかったクルディスタン企業家・事業家協会はこの決定が前例となることを期待する一方、ある弁護士グループもクルディスタン法律家協会を設立するために、正式な申請をおこなう準備をしている。
T-KDPの創設者のメフメト・エミン・カルダシュ代表は、アナトリア通信の記者との会見で、政党の設立を認めたこの決定を歓迎すると話した。
カルダシュ代表は、「トルコで、『クルディスタン』との名称を冠した政党の結成が憲法により登録を認められることは喜ばしい出来事であり、画期的なことです。これには間違いなく解決プロセスが影響しています」と語り、トルコに肯定的な変化が起きたことを指摘した。
カルダシュ代表は、解決プロセスの成功には政府の大きな貢献があることに言及し、その尽力に感謝した、
■「決定は前例となる」
クルディスタン企業家・事業家協会 (KÜRDSİAD)のフセイン・バルダクジュ代表は、少し前にディヤルバクル県知事府協会担当局におこなった申請が同協会の「名称と規則が憲法違反」であるとの理由で拒絶されたことを想起しながら、(否決)決定に異議をとなえて、新たに申請書を提出したことを明らかにした。
バルダクジュ代表は、最高裁判所共和国首席検事局がT-KDPに関して下した決定を肯定的にとらえていると説明し、申請の結果を近いうちに公表し、T-KDPへの決定が前例となることを期待すると述べた。
バルダクジュ代表はこの進展が解決プロセスに関係していると語り、「このような決定はもちろん一歩前進ではありますが、十分ではありません。これらの結果を組織のトップにいる人たちに託さない必要があります。このことを憲法による保証へと到達させることが私たちの要求です。最高裁判所が出したこの決定は私たちにとって重要です。かつてクルディスタンという名称を使用したために、人びとが刑務所に収監され拷問を受けたことを私たちは知っています。内務省と最高裁判所のこの決定は、非常に大きな一歩です」と評価した。
■新しい申請を準備中
アナトリアの東部と南東部で活動しているある弁護士グループは、クルディスタン法律家協会を結成するためにディヤルバクル県協会担当局へ公式に申請をおこなう。
同団体の創設メンバーのひとりセルハト・エレン弁護士は「クルディスタン法律家協会」はトルコで暮らし、異なるエスニックアイデンティティ、信仰、言語をもつ人びとが出くわす権利の侵害を防ぐ目的で結成したい、と話した。
エレン弁護士は、T-KDPへの決定が自分たちにも重要であると説明して以下のように話した。「100年来の問題であったクルディスタン問題が概念としても承認されたことは重要である。100年間続く問題が、内務省も最高裁判所共和国首席検事局にも承認されたことは極めて重要な段階に移行したことを示しています。このことは私たちにおそらく光をあて、私たちの団体の設立を容易にする一歩です。私たちもクルディスタン法律家協会として申請をおこないます。内務省と最高裁判所共和国首席検事局がおこなった決定は私たちのための重要な扉を開きました。私たちの協会も『クルディスタン』を冠した名称が承認されると考えています。」
エレン弁護士は、最高裁判所による決定はトルコで法の正常化の名において重要な一歩であることを付け加えた。
協会の創設メンバーのひとりギュルシェン・オズベク弁護士は、協会の規則は平等の原則に基づいており、協会では女性の労働に優先的に取り組みたいたいと述べた。
オズベク弁護士は、活動原則として階層的ではない、より集合的な活動を提供するシステムを生み出すよう取り組んだと説明し、「私たちの協会では、共同代表制をとります。この観点でもトルコで先駆的な特徴があります」と述べた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:34518 )