■シリア国民間の和解と調和を実現するための市民活動
【ダマスカス:ヤヒヤー・アウス】
シリア国民の社会構造はもはや以前と同じではない。深刻な危機がシリア人同士の関係性を打ち砕き、分裂は明白で無視し得ないものとなっている。復讐心や相手を打ち負かしたいとの感情、そして報復への欲求までもが多くの人々の心を占めている。そこから明らかな爆発を通して現れるものは、時に暴力的で痛ましいものとなることもあり、人々の心の中に潜み清算の時を待つその感情こそ、最も深刻である。
(人道)活動家の多くは、自らの活動を通じて両当事者の間を行き来しているが、この深刻な状況が悪化する様を間近で感じ、その影響を警告している。また彼らは、真の和解に向けた回路を開き、深みのある、考え抜かれた基盤に基づく社会の構成員間の対話を開始するよう訴えている。
この問題に取り組む団体の一つに、「平和な社会」と名乗る無認可の市民団体がある。この団体の活動は、救援活動から精神面でのケアへと段階的にシフトし、現在は比較的安定した避難地域に疎開する女性や子供たちのために取り組んでいる。
「平和な社会」設立者の一人クサイ氏は、「われわれは、個々人で避難民の救援活動に携わる活動家らの集まりとして、各自の能力や地元との結びつきを基盤に活動を始めた。しかし、危機の激化や救済活動の分野に強大な諸組織が参入したことに伴い、我々は救援活動に劣らず重要な他の分野での活動に取り組むことを決心した。その活動とは、避難民の女性と子供たちを疎開先の社会に融け込ませようする試みである。(このような取組みにシフトしたのは)とりわけ、当事者双方との接触を通して多くの人々の心にはびこる復讐心の大きさに気付かされたからだ」と語った。
(後略)
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( 翻訳者:伊牟田彬裕 )
( 記事ID:34597 )