《不浄》の生き物―犬の殺処分をめぐるカネと行政の混沌(1)
2014年06月24日付 Jam-e Jam 紙
【ジャーメ・ジャムSARA】数日前、タブリーズのバーグミーシェ地区にあるハーネ=イェ・チュービーの住民が、毎晩、夜半に響く、大きな銃声と負傷した犬の呻き声で眠りを阻害され、これに対する抗議を行った。すると考えてもみなかったことだが、住民たちのこの残酷な殺処分に干渉したがゆえに、銃器で脅迫されることになったのだ!
※訳者注:イスラーム法において、犬は《不浄》の生き物とされている。イランでは犬を飼うことは禁じられてはいないものの、大都市の高級住宅街か遊牧地の牧羊犬に限られる。犬が舐めたものも不浄とされるので、特に市場などでは駆除する動きがさかんである。
家族とこの地区に暮らす若者ダーヴードは、これについて、次のように述べた。
真夜中の3時頃、隣人の何人かとともに、残酷な犬の殺処分に抗議するために建物から出ると、黄色い回転灯を付けたペイカーン車[イラン国産車]とネイサーン[日産]車が一台ずつ停まっていた。車体には二つともタブリーズ第5地区市庁舎のマークがついていて、野犬を処分する市の職員6人も一緒だった。
我々の街には、この何年かこうした動物たちの保護施設があり、この物言わぬものたちを、悲惨なやり方で殺さずに済むようなっているはずだった。
ターブナークからの引用によれば、彼はこう続けている。
我々は犬たちが殺されてしまうのをなんとか阻止しようとしたが、当初、担当者らは我々をはねつけ、その後、我々が引き下がらないを見て、武器を私に向けて、我々が邪魔しないようにと脅した。彼らは、負傷した犬を痛ましいやり方で射殺した後、その死骸を、ネイサーンのトラックの荷台に山と積まれた死骸の上に、クワで放り投げて載せ、去っていくのだ。
神から命をいただいた生き物から命を奪うことは、クフル[不信仰]と一緒だと信じているダーヴードは、この説明をし、その後、近隣の住民数人とともに、市長に宛てて書いた手紙のことに触れた。手紙の中で彼らは、神の創造物の殺害をやめるように求めたのに加え、市の担当者らに銃器で脅迫されたことにも触れ、これにより状況を変化させようとした。しかし、この方法はそれほど功を奏してはいないようだ。この前兆から奇しくも我々は、事態の裏に隠された商売をつぶさに見ることになる。
一般に言われていることに反して、野良犬の非合法的な殺処分は、“市民の福祉のため”という名目以上に、これによって金を得るためのものだ。アルボルズ州やキャラジ市では、住民からの苦情はあるものの全く功を奏してはおらず、首都近郊やチャハールダーンゲ地区と呼ばれるところやタブリーズのような大都市でも、聞かれるのは、そこで殺処分を行う犬殺し人たちが、動物の死骸を確保し、さらにはより多額の報酬の受け取りのために、何キロも離れた荒野まで出向き、ときには野犬などの動物の代わりにその地域に住む人たちの死体まで拾い集めてきて売り飛ばすということである。
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( 翻訳者:8410170 )
( 記事ID:34615 )