エルドアン・ヴィジョンには何がある?
2014年07月12日付 Milliyet 紙


エルドアン首相は、イスタンブルで大統領選ヴィジョン文書発表会を行った。(共和国100周年となる)2023年に向け4つの主要目標を提示し、大統領制、世俗主義、司法制度、新憲法についてメッセージを放った。

84ページからなる「新しいトルコの道のりにおいて」というタイトルの大統領選ヴィジョン文書の目次は、「民主主義、繁栄、先進国家」からなる。エルドアン首相は、新憲法、司法制度の再構築、大統領制への移行に向けたメッセージを述べ、政治変革の項目では国家と宗教の関係を特に強調した。大統領選が、憲法から社会の平和まであらゆる分野で変革をもたらす「革命」であることをヴィジョン文書で言及し、新しいトルコのヴィジョンを「私の構想であり、夢である」と言い、縷々説明した。

エルドアン首相は、ヴィジョン文書で統治理解から政治変革、社会統合から公正、司法に至るまで具体的なメッセージを発した。同首相は、(トルコは) 寛容、多元主義でもって、大文明の継承者として世界に開かれなくてはならないと述べ、2023年に向かって4つの主要目標を掲げた。ヴィジョン文書では4 つの目標-「民主主義の更なる発展」「政治・社会の正常化の維持」「社会福祉の更なる向上」「先進国家入り」が個々に記載されている。エルドアン首相は、多様性は弱みでなく強みであるという意識が広まったと強調し、「多様性を尊重するように、多様性の価値が浸透するように」と述べた。

■「人権侵害は許容しない」

2023年に向けた目標は、あらゆる分野で基本的権利や自由を発展させることであるとヴィジョン文書で強調し、「いかなる人権侵害も許容しない政策を追求し続けなければならない。あらゆる人権侵害、疎外、差別、排除を止めるべく、構築されるメカニズムがより効果的に機能するようにしなければならない」との見解を示した。

■「国民の尊重と信頼」

エルドアン首相は、統治理解の項目を設け、下記の通り強調している:「我々の統治理解は国民への敬意と信頼に依るものであり、国民が中心に据えられている。新旧のあらゆる制限には反対であり、和解の文化に依っている。疎外、差別ではなく統合し、抱擁する政治ヴィジョンを新たなステージに進めようではな いか。
我々は結束の気質を根本的に備えている。結束を求めているのだ。我々の呼びかけは創出への誘いである。多元主義、平等主義、参加型民主主義への誘いである。我々は民主主義を求めているのである。国民皆が(政治)プロセスを担っており、運命を共にしているのだ。我々は地道に成果を積み重ねてきた国民を皆抱擁する。誰も拒否したりしない。」

■3つの変革が必要

エルドアン首相は、ヴィジョン文書の中で「政治変革」、「社会統合」、「機構改革」の3つの変革を必ず実現する必要があると述べた。
国家機構を社会の期待・発展・意思に合わせ変革する必要があるとヴィジョン文書で強調し、国家機構の変革が社会の平和にとっても必要であると表明した。

■司法の再構築

ヴィジョン文書では、公正、司法の項目では、「残念ながらよくない事例が昨今において生じた。公正に留まらず司法の政治化が始まっている。政治と同程度、司法も腐敗している。司法機構は、国家の多様性を全て反映する、法・公正の理想に適した審理を行う形で新たに構築されなければならない。司法の最高権威は国会を通じ民主主義的合法性に適合しなければならない。こうして、司法と国民との間で受容・参加の関係が確保されることとなる。このようにして司法のマジョリティ、マイノリティ支配は防がれ、審判の資格を持つ公正のメカニズムが構築される」と記載されている。

■アレヴィー問題

ヴィジョン文書ではアレヴィーに向けた特別なメッセージも記載されている。アレヴィー派が抱える問題解決に向けた取組をこれまで行ってきたと謳い、「この対話プロセスに新たな推進力を加え継続しなければならない。拒否、否定、同化政策を完全に排除しなければならない。この過程が悪用されることを許してはならない。アレヴィー派の問題を相互理解、対話、共通の未来への責務を軸として解決しなければならない」との文言がある。

■エユプ・モスクにおける金曜礼拝時のスカーフ対策

金曜礼拝をエユプ・スルタン・モスクで行うレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のために、同モスク周辺で広範に亘り警備が敷かれた。警察の特別機動部隊が高所で警備に当たった。部隊には女性4名も含まれており、このエユプ区警察署女性警官の現代的な服装が注目された。女性警官は、モスク・霊廟近くで警備を行う可能性があるため、(彼女達に)スカーフが用意された。ただ、女性警官は商店に行き、自分用のスカーフを新たに購入した。

■ヴィジョン発表会には著名人参加

大統領選ヴィジョン発表会には、ゼリン・オゼル、エジェル・エルケン、オルハン・ゲンジェバイ、シャファク・セゼル、レジャイ・クタン元幸福党党首、ハン デ・イェネル、アリシャン、メティン・アロラット、ルドバン・ディルメン、ベルクシャン、クトシィ、ヒュルヤ・コチイイト、シャハン・ギョクバカル、ムス タファ・サンダル、メティン・シェントゥルク、ウウル・ウシュラック、アドナン・ポラト、メフメト・アリ・アイドゥンラル、ベルダン・マルディニ、タン ジュ・チョラック、イスマイル・YK、イッゼト・ユルドゥズハン、ヒダイェット・トゥルクオール、ビュレント・エルソイ等、著名人が多数参加した。エルドアン首相は著書にサインを行った後、著名人と記念撮影を行った。

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( 翻訳者:山根卓朗 )
( 記事ID:34673 )