サウジアラビア人の患者2名がイラン人の腎臓を購入するために、テヘランの某病院に違法に入院
【社会部:アミーン・ジャラールヴァンド】水を飲むかのごとく、簡単に法をすり抜ける、それも人の生死を分けるような問題で。
法律では、イランで行われる腎臓移植手術はすべて、「腎不全患者支援協会」の紹介と承認のもとで行われることになっている。これは仲介業が発生し、善意によって提供された腎臓が〔金銭目的で〕悪用される可能性をなくすためである。しかし、この協会の理事長は憂慮すべき数字を挙げて、ジャーメ・ジャム紙に次のように明かしている。「昨年、約1800件の腎臓移植手術が行われたが、そのうち協会の監督の下で行われたのは約800件にすぎず、1000件以上は違法に行われた手術だった」。
モスタファー・ガーセミー理事長によれば、これらの違法な腎臓移植手術には、イラン人からイラン人に対して行われたものもあれば、イラン人から外国人に対して行われたものもあり、またこれらの違法手術は一部の病院ないし医師の違反行為によって行われたものであるという。例えば、昨日、テヘランの某病院でサウジアラビア人二名が違法に腎臓移植手術を受けようとしていたとの報道が流れ、多くの波紋を呼んだ。この二人の患者は、イラン人として身分を偽り、ブローカーの支援によって、イラン人の腎臓を購入しようと企てていたのだった。
もちろん、こうした違反行為によって生じる金銭のほとんどは、ドナーのポケットに入ることはない。
現在、合法的に腎臓を提供する者は、900万トマーン〔※約30万円〕を、自己犠牲による提供として手にし、手術費用100万トマーンも政府から支給される。しかし、外国人にイラン人の腎臓を移植するときは、仮に3億トマーン〔※約1千万円〕が〔医療〕ツーリストから支払われるとして、ガーセミー氏によれば、違法ドナーの手に渡るのは、せいぜい1500万トマーン〔※約50万円〕にすぎず、残りの金銭はブローカーや違反行為を犯した医師や病院のものとなってしまうという。
■ 外国人に売られるイラン人の「腎臓」
先週、ジャーメ・ジャム紙は移植に使われる臓器の提供を首を長くして待つ2万5千人もの患者らをめぐる状況について、そしてこうした患者のうち、一日に7人から10人が、臓器の提供を待つうちに亡くなっていることについて、レポートした。〔臓器の提供を待ち望んでいる人々のうち、腎不全に悩まされている〕患者のほとんどは、人工透析を受け、腎臓が手に入らないことに苦しんでいる。
今や、こうした危機的状況がさらに深刻なものであることについて、新たな情報が伝えられている。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:34814 )