パレスチナ:ガザ…血に芸術が打ち克つとき
2014年08月04日付 al-Hayat 紙


■ガザ…血に芸術が打ち克つとき

【ガザ:サーミーヤ・ザビーディー】

イスラエルの戦闘機により空爆されたガザ地区の家屋、そこから立ち昇る炎や煙を、女性や子ども、そして誇り高き表情をした男たちの顔に描いた画像が、SNSを通じて出回った。

このように、若き芸術家達は、パレスチナ人ジャーナリストらが撮影した写真を、ガザ地区一帯の空を埋め尽くす煙や破壊の光景に重ね合わせるよう移し替えた。イスラエルの戦闘機による空爆は7月8日に始まり、パレスチナ市民の家屋や施設、土地を標的に、既に600回以上行われた。

パレスチナ人活動家、およびアラブ人・外国人活動家らは、「Twitter」や「Facebook」といったインターネットの主要SNSサイトを通じて、自身が世界に伝えたいメッセージを反映したこれらの画像を発信した。

西岸地区ヘブロン出身のパレスチナ人女性芸術家バシュラー・シャナーン氏(25歳)は、女性の前に敬意を表してかしずく厳粛な男性の姿を、ガザの空に描いた。

シャナーン氏は、天国は母、とりわけパレスチナ人の母の足元にあるという広く受け入れられた思想を表そうとした。いわく、「その母は殉教した、そして男は彼女の足元に天国を見、敬意を表してかしづいている」。

シャナーン氏は、破壊と死の光景を、丁寧に髪を巻いた美しい少女とその笑った口元に昇華させるため、写真の赤と灰色がかった黒のコントラストを駆使した。これにより、命の愛おしさに対するパレスチナ人の執着心、そしてガザの上空から監視または攻撃を仕掛ける死を象徴したカラスへの彼らの抵抗心を表そうとしたのだ。そして、もう一枚の画像では、黒い煙と赤い炎が、殉教した十数人の子供たちの顔として描かれている。攻撃が始まって20日も経たない間に、210人以上の子供たちが殉教した。その間、イスラエルは一家全員を標的にした集団虐殺を犯してきたのだ。

「Facebook」上で多くの反響を呼んだこの作品について、シャナーン氏は「この戦争で殺された人たちは何の罪も犯していない子供たちです、占領者が言い張るようなテロリストなどではありません」と述べている。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:34955 )