ハーバード大学は、サマースクールの一環としてイスタンブルの歴史的な畑で講義を行った。昨年の夏、市によって一部が瓦礫で覆われた歴史的なイェディクレの畑に焦点を当てた授業で、学生たちはビザンツ・オスマン時代の古文書館から野菜畑の過去について、そして何代にも渡ってイェディクレで農業を行う農民から現在について学んでいる。
アメリカの有名大学の一つであるハーバード大学は、イスタンブルの歴史的な畑でサマースクールを開催した。6月30日から始まった6週間の授業で、学生らは主にイスタンブル広域市とファーティフ市で、昨年の夏、一部が瓦礫で覆われた歴史的なイェディクレの畑に焦点をあてている。
「都市と農業:イスタンブルの歴史的な畑を守り研究する」という題目で講義を行うのは、ハーバード大学歴史学科ジェマル・カファダル教授と、同大学で博士課程に在籍しオスマン史を研究しているアレキサンダー・ソポヴさんだ。
ソポヴさんは、昨年の夏、イェディクレの畑が瓦礫で覆われた後、ハーバードで講義を行うという考えが浮かんだという。「都市農業は北米の学界において次第により関心がもたれているテーマです。世界各地の学者が我々と連絡を取り、イスタンブルにある歴史的な畑について質問しています。なぜならば元オスマン帝国の全領土においても、イェディクレの畑のようなものはないからです。そもそもオスマン帝国時代の畑で都市内に残っているものは非常に少ないのです。その上、イェディクレの畑にはオスマン帝国時代の井戸、水路、堤防が残されており、彼らの子孫たちがそこで農業を営むのに使用しています。つまり、学生にとってこの畑は古文書館にある資料とは別に、生きた歴史なのです」
■「ここよりも優れた研究室はない」
講義の際、学生はビザンツ時代、オスマン時代から残る地図や史料を調査し、一方ではイェディクレの農民から伝統的な灌漑方法を学ぶことで、畑の実際の姿を浮かび上がらせ、マイクロスコープを用いて植物のサンプルを調べた。
ハーバード大学のジェマル・カファダル教授は、畑から学べるものは非常に多いと話す。「昨年の夏、畑に瓦礫が捨てられたとき、我々の声を届けるために記者会見を行いました。そこでも話したように、もしも国民教育省や他の機関が、若者に環境意識を育てようと真剣に検討しているのならば、ここよりも優れた研究室はありません。あらゆる意味で足をこの地に着け、過去を抱くと同時に21世紀のエコロジストを目指す教育、社会の啓蒙を模索しているのなら、ここから始めることができます。その上、イェディクレの市民もこの遺産を誇りに思うことができるでしょう」と語った。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:35086 )