パレスチナ・イスラエル:エジプトによる最終停戦案を検討
2014年08月16日付 al-Hayat 紙
■パレスチナ・イスラエル双方は、エジプト提案の最終的改定停戦案の検討に入った
【ガザ:本紙】
本紙の取材によれば、エジプトが、パレスチナ側の停戦交渉当事者はパレスチナ政治権力およびその政府であると位置づけて提示した最終的停戦案を、パレスチナ・イスラエル双方は検討に入った。カイロでの交渉に赴く「ハマース」代表団はエジプト提案を同組織指導部と協議するためドーハに向かい、「イスラーム聖戦」代表団も同じ目的からベイルートに向かった。
パレスチナ当局に近いパレスチナ情報筋は本紙に対し、「エジプトは改定後の最終的停戦案を提出したうえで、それを受け入れるか否かの回答をするようパレスチナ・イスラエル双方の交渉団に求めた」と語り、さらに「度重なる停戦交渉の末にエジプトの新提案が、停戦、爆撃中止、破壊からの復興にかかわるパレスチナ側交渉当事者はパレスチナ統治権力すなわちパレスチナ政府であって「ハマース」ではないと位置づけたことは、イスラエルがこれまで激しく敵対してきたパレスチナ政府を認めるということを意味している」点を示唆しながら、「パレスチナ代表団はエジプトの新停戦提案に対して修正―どんな項目にするかの選択は困難かつ微妙であるが―を加えることを求めるだろう」と付け加えた。
一方同パレスチナ情報筋は、イスラエル代表団がこれまでの停戦交渉において「ガザの封鎖解除」を規定するいかなる形式にも反対したことに触れ、それは「イスラエルがガザを封鎖していることを認めないばかりか、同国の長年にわたるガザ封鎖を示すような記録を残すのさえ望まない」からだと述べた。
本紙が入手したエジプトの最終停戦案において、(1)ガザ地区におけるイスラエル海、空、陸軍によるすべての敵対行為の停止、(2)イスラエルの地上および民間人を標的としたあらゆる破壊行為の取りやめ、(3)ガザのパレスチナ諸組織によって同地域内からイスラエル国内に向けて加えられる地上、海、空からのすべての敵対行為の停止、(4)イスラエル領土へ通じる地下トンネル掘削の停止、(5)イスラエル国境地帯やイスラエル民間人を標的としたあらゆる種類のロケット攻撃の停止、等々の諸項目が掲げられている。
またエジプト提案中の項目として、イスラエル・ガザ地区境界線上の通行ゲート数カ所を開放することも掲げられているが、そこには、イスラエル・パレスチナ両政府の合意原則に基づいて(1)封鎖の打ち切り、(2)ヒト、モノ、ガザ再建必要物資の自由な移動、(3)ヨルダン川西岸・ガザ間の商品の自由な流通、(4)「ハマース」メンバーである自治政府職員への給与支払い-イスラエルは合意済み-に関して、イスラエル当局とパレスチナ自治政府はガザでのお金の取り扱いに関して調整をはかる、等々の実現も含まれている。
またエジプト提案は、ガザ地区の北部・東部の立ち入り禁止地帯の段階的廃止、来年初頭からパレスチナ政府直属の治安部隊の展開、パレスチナ漁業認可海域問題、ガザ地区の破壊されたインフラ修復にイスラエルが果たす役割、ガザ攻撃被災者たちへの生活必需品と緊急医療支援の提供等々の諸問題の解決の方策も模索している。
さらに同提案は、パレスチナ・イスラエル双方の停戦協定合意によって停戦状態が安定しガザ地区に平穏な生活が戻ったあかつきに、協定調印から一カ月以内に停戦交渉を補完する(第三者を介した)間接的交渉を開始し、「パレスチナ人拘留者とイスラエル兵遺体の交換」と「オスロ合意および両者間で調印された諸協定に基づいてガザ地区における空港・港の建設とその運用」を協議することに言及している。
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( 翻訳者:渡真利菜々 )
( 記事ID:35088 )