イラク・シリア:米国のIS打倒計画、完遂までに3年を要する
2014年09月09日付 al-Hayat 紙


■オバマ大統領の打倒「ダーイシュ」計画は3年の月日を要する

【ワシントン:ジョイス・カラム;ニューヨーク:本紙】

ジョン・ケリー米国務長官は今日(8日)、アンマンを訪れて中東歴訪を開始し、その後「イスラーム国(ダーイシュ)」打倒計画の支持を得るためにジェッダに飛んだ。「ニューヨーク・タイムズ」紙が明らかにしたところによると、バラク・オバマ米大統領が明日水曜日(10日)に発表する予定の対「イスラーム国」行動計画は、三段階からなる。中でもシリア国内の「ダーイシュ」を討つのが最も困難な段階であるが、これは「避けては通れない」段階だろう。イスラーム国打倒作戦は3年以上の年月を要するものと思われ、ゆえにこの作戦が成功するか否かは、オバマ大統領がホワイトハウスを去った後に明らかになる。

国連の新シリア担当特使ステファン・デ・ミストゥーラ氏は任務を開始し、今日(9日)シリア訪問を開始した。訪問は3日間、同特使はその間にシリア政府高官やシリア政府が「国内の反体制派」と呼ぶ組織のメンバーと会談を行う。

オバマ大統領が声明を発した日の夕方、ニューヨーク・タイムズ紙は米国の計画の要旨をまとめた。同紙が報じたところによると、計画は三段階から成り、第一段階は先月(8月)5日にイラクで活動する「ダーイシュ」に対して145回の空爆を行ったことにより開始された。また、第二段階はイラクの新政府発足であり、米国政府はイラク国軍とクルド人の部隊に最も効果的な訓練を施し、アンバール県の部族集団もこれに参加させることを可能にするためには、今週中に新政府発足を成し遂げたい考えだ。

第三段階は、シリア国内の「ダーイシュ」の拠点を攻撃することであり、これが最も困難であると見られている。米政府高官はこの作戦について、おそらく37か月の月日を要し、(作戦が完了するのは)オバマ大統領が政権の座を離れてから後のことになるだろうとの予測している。米政府高官は、シリア国内の「イスラーム国」に対するこの行動は「避けては通れない」ものであり、米政府はサウジアラビアやヨルダン、トルコ、UAEに対して地域的支援を求めたが、この点に「困難」が見られると明らかにした。米国高官は、「イラクのケースに関しては異論は出ないのだが、シリアを巡ってとなると、(シリア国内のダーイシュに対する)攻撃がどこに帰着するのかという問題について大きな懸念が生じる」と述べた。また、同高官は、この取り組みは時間を要することになるが、「避けては通れず、またこれに代わる方策も存在しない」と述べた。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:35296 )