■「ダーイシュの犠牲者」ヤズィード派住民殺害の証言
【カイス・カースィム】
スウェーデンの第四チャンネルが、ダーイシュによるヤズィード派住民の犠牲者に関するドキュメンタリーを放映した。同番組はスウェーデン在住のクルド人カメラマン、フジール・ヒルーリーにより制作された。同氏は、ストックホルムから当該地域や、複数のキャンプヘと急きょ赴いた。これらのキャンプは「ダーイシュ」による暴力から逃れ、他のクルド系の都市へと移るまでの間一時的に滞在する人々を収容しているが、収容可能な人数は極めて限られている。
ドキュメンタリーはシンジャール山からの避難民が緊急に書きつづった証言である。彼らは自らの土地のすべてを捨てて、行き着いた不毛の土地には、彼らが失った愛するものたちの記憶と、「ダーイシュ」の兵士たちから受けた苦痛の記憶以外は何も残っていない。「イスラーム国」はモースルを制圧し、ヤズィード派住民が大多数を占めるシンジャールの村々を侵略したのだ。
テレビでは、子供を亡くした母親たち、家族全員を故郷に残して来た男性の証言が写しだされた。彼らは自分の家族に今何が起こっているかを知らない。避難民たちはこの恐ろしい経緯を、自発的に、また深い苦しみ、悲しみ、喪失感に暮れながら語った。番組が出会った人々の多くは女性であり、男たちの多くはシンジャールのジハード主義者の侵入に伴い、殺害されている。女性たちは子供とともに、自らの体と子どもを覆うぼろぼろの服以外は何も持たずに、クルド人自治区、またはシリア国境内を目指し裸足の過酷な逃避行をした。彼女たちの中の一部は、第二のエデンから、さらなる地域を目指す。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:伊牟田彬裕 )
( 記事ID:35319 )