防衛相、「NATOにプラン策定を要請」
2014年10月07日付 Hurriyet 紙

イスメト・ユルマズ国家防衛相は(イスラム国から)トルコへの攻撃があった場合は、地上部隊をトルコへ派遣するというNATOの発表について、「シリアに関する事件が生じた時から我々はNATOにあらゆる事態を想定したプランを策定することを要請してきた。NATOは様々な案を検討し、一つの計画を用意した」と述べた。

犠牲祭の3日目、陸路でアンカラからスィヴァスに来たイスメト・ユルマズ国家防衛相はスィヴァス商工会議所によって催された犠牲祭の祝典に参加した。式典にはユルマズ大臣の他、アリム・バルト県知事、国会議員のヒルミ・ビルギン氏とアリ・トゥラン氏(いずれもスィヴァス選出で公正発展党所属)、サミ・アイドゥン市長、スィヴァス商工会議所オスマン・ユルドゥルム会頭も参加した。

ユルマズ大臣はこの場で、「トルコは平和の島、平穏の島であり信用がある。また7,700万人のトルコ国民が暮らしている。しかし一方で文化的な地理においては、自らの家で、庭で、国土で銃撃を行う人々がいる。家に銃弾が当たり、庭で火災が起こる。そうした所からここへ逃れてくる人々がいる。ヤズディ教徒、クルド人、アラブ人、トゥルクメン人がいる。トルコへ逃れた人々の数は約150万人で、恐らくはそれ以上に増えている。これ以後も続くかもしれない。我々がイラクとシリアでの残虐行為と暴力を、人権侵害を防ぐことが出来なければ、法の侵害を国際社会と共に防ぐことが出来なければ、これらのことは続いてしまう。では、あなたはどうするのか。隣で火事が起こり、その隣人はあなたの庭、家に来ようとしている。扉を閉めるのですか。しかし、仮の住処であるこの世での試しであるこの扉を閉めてしまえば、私たちはこの試験に落第する」とスピーチした。

ユルマズ大臣は、選挙があったにも関わらずトルコではどのような危機も起こらなかったと述べる。
「インフレーションは最新の数字で下降傾向にある。どの選挙のときにも経済操作を行わなかったからだ。なぜなら私たち選挙のために仕事をしているものは次の世代を失ってしまう。そのため、次の選挙のためではなく次の世代のために働くことで、大いなる神のご加護を得て、この国民は常に金と銅とを、銀の真偽を見分けてきた。大統領が替わり、首相が替わり、内閣が替わっても危機が起きない国というものを考えてみてほしい。世界のどの国家でこのような組織があっただろう。大統領、首相、大臣たちが替わるが、経済においてはどんな危機も発生しないのだ。これこそがトルコがいかに安定した国であるかを示すものだ。これは親愛なる国民が安定、信頼を選んだ結果である」
ユルマズ大臣はその後、公正発展党県庁支部によってフィダン・ヤズジュオール文化センターで開催されている犠牲祭を祝うプログラムに参加した。ユルマズ大臣は犠牲祭を祝ったのちに新聞記者たちの質問に答えた。

■「攻撃があればNATOの共通防衛システムが発動される」

ユルマズ大臣はプログラムの後でメディア関係者の質問に答え、有事にはトルコを防衛するというNATOの声明に関する質問に対し、以下のように述べた。
「NATO条約の第5条はとてもはっきりしている。同盟、友好国に攻撃が向けられた場合、この攻撃は友好国のすべてに行われたものとしてみなされる。このため、NATOの共通防衛システムが発動される。シリアに関する事件が始まって以来、私たちはNATOにあらゆる事態を想定した計画を用意するよう要求してきた。NATOは、様々な事態を想定して一つのプランを用意した。これにより、トルコに対して攻撃がなされれば、NATOはワシントン条約(NATO条約)の第5条を実行することになる。新しい事務総長もこのことを明らかにした。トルコに対して攻撃があれば我々はトルコの傍らにいると。トルコはなぜNATO加盟国なのか?それは有事に同盟国を味方に付けるためだ。今回、このシステムが機能し、発動するだろう」

■「国境での火事を最小の被害で乗り越えたい」

ユルマズ大臣はイスラム国(ISIS)のコバーニーへの攻撃にも言及した。
「現在双方が争っている。我々は今、国境でのこの火事を、自国ならびに自国民への被害を最小限に抑えて乗り越えたい。国際社会と共に行動し、この事件を最小の被害で乗り越える。この地域にどうやって平穏と平和をもたらせるか、取組みが始まった。良い結果がもたらされることを願っている。望ましい結果がもたらされることはこの地理におけるクルド人、トルコ人、アラブ人、トゥルクメン人、シリア人、ヤズディ教徒たちすべてにとっての利益となる。そのための全国民の協力と祈りを期待する」



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:35504 )