エスファハーンで覆面酸通り魔事件が2件発生—警察による捜査が開始、市民は恐怖に(上)
2014年10月18日付 Jam-e Jam 紙
【事件部:マアスーメ・マレキー】エスファハーンで二人の女性の顔に酸がかけられる事件が発生し、住民らは恐怖にかられている。そうした中、警察は犯人らの特定と逮捕に向けた大規模捜査に乗り出した。
ジャーメ・ジャムの取材によれば、今年メフル月24日[西暦10月16日]の夕刻、27歳の独身女性がエスファハーンのメフルダード通り近くにある歯科診療所に行くために、サマンド[※イランの国産車]で自宅を出た。暫く走ってメフルダード通り近辺にやって来たとき、女性は二人乗りのオートバイが後をつけていることに気が付いた。
[中略]
この若い女性は強い恐怖を覚え、これから不快な出来事が起りそうな予感がした。そのためキーを抜いて、車から降りた。オートバイに乗った二人の男も、彼女の前に立ちはだかった。女性は恐怖を表に出さないように努め、大声で「私をどうしようというの?どうして私の後をつけるの?」と叫んだ。するとオートバイの荷台に乗っていた男が降りてきて、無言で、容器の中に入っている中身を女性の顔にふりかけた。
若い女性のうめき声が、通りの夕暮の静けさを破った。「熱い、熱い」と痛みを訴える声を聞きつけた商店主たちが、あわてて通りに出てきた。そのうちの一人が110番警察緊急センターに通報、その他住民数名が、酸をかけられた被害者を車に乗せ、病院に運んだ。
[中略]
■ 2件目の酸通り魔事件
エスファハーン州のファズロッラー・キャフィール知事は、この二件目の酸通り魔事件について、イラン学生通信に、何日か前にエスファハーンで発生したもので、現在警察が、犯人らの身元をつきとめようと捜査しているところだと話した。酸通り魔の被害女性の一人は既婚者であり、事件は個人的な諍いによる可能性があるという。
■ SNSで伝えられている情報は真っ赤なウソ
その一方で、エスファハーン州治安維持軍の副司令官(社会問題担当)は、メフル月24日夕刻に発生した酸通り魔事件一件のみ認め、本紙の記者に次のように述べた。
エスファハーン市内では、それ以外に酸通り魔事件は起きていない。エスファハーンで女性の顔に酸をかける連続通り魔事件が発生しているとの噂が〔フェイスブックなどの〕ソーシャル・ネットワーキングサイトで伝えられているが、こうした噂は虚偽である。
キャリーミー大佐はさらに、
犯人の特定と逮捕に向けた警察の捜査が始まっている。捜査が完了し、容疑者が逮捕されるまでは、情報を公開することはできない。容疑者が逮捕され次第、本件に関する情報の提供が行われるだろう。酸をかけられた被害者の一般的な容態については、満足できるレベルにあると発表されている。
と続けた。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:たるじょめのおきな )
( 記事ID:35663 )