ダヴトオール首相、「国境の向こうにアサド政権、イスラム国そしてPKKは望まない」
2014年10月29日付 Cumhuriyet 紙
アフメト・ダヴトオール首相は、英国放送協会BBCからの取材に「トルコ国境の向こうにシリア・アサド政権、İŞİD(イラク・シリア・イスラム国、ISIS)及びPKK(クルディスタン労働者党:非合法組織)を目にするのを望まない」と述べた。
アフメト・ダヴトオール首相は、世論を納得させるために、コバーニ-のみへの支援のための戦略を受け入れるつもりはないと伝え、「トルコ国境の向こうにシリア・アサド政権、İŞİD及び PKKを目にするのを望まない」と語った。
同首相は、以下のような声明を発した:「世論を、アメリカ及びヨーロッパの世論を納得させるために、コバーニーのみへの支援のための戦略ではない。この戦略とは一体何なのか?第一にシリアの穏健派勢力、つまりÖSO(自由シリア軍)へ支援が行われるべきであり、武器供給が行われるべきであり、教育支援が実施されるべきである。第二にİŞİD及びシリア政権が市民を襲撃している各地に安全地帯をつくるべきである。トルコにはトルコの優先事項があり、この優先事項に伴うリスクもある。我々は同盟国がこの我々の懸念を理解してくれるよう望んでいる。トルコ国境の向こうに我々が目にしたくない勢力が三つ存在する:シリア・アサド政権、İŞİD及びPKKである。これら三勢力は全てトルコの脅威である。トルコに対する脅威及びリスクを生み出している。昨今の事件で当該勢力がシリア危機をトルコへ波及させようとしていることが分かった。我々はこれを断じて許さない。」
■ コバーニーはより大きなリスクの結果
ダヴトオール首相は、コバーニー問題は数か月前に勃発したが、シリア内戦は3年半前に勃発し、30万人が亡くなったことを指摘し、「故にコバーニーは単一の問題ではない。より大きなリスクの結果である。シリア危機を解決する事なく今日コバーニーを救出したとしても、シリア政権あるいはİŞİDからさらなる攻撃が行われ、我々は今日コバーニーで目にしている結末に直面することになるだろう」と述べた。
同首相は以下の様に語った:「トルコにコバーニーへの援助要請が届いて以来、我々に何が求められているのかを同盟国に尋ねている。我々はトルコ軍を派遣しない。-PYD(民主統一党)も別の勢力もトルコ軍派遣を望んでいるとは考えていないからである。誰もシリアで地上部隊、ペシュメルゲ、あるいはÖSOの部隊を見ることは望んでいない。そして我々はPYDにコバーニーへの軍派遣を要求したが、彼らは現地へ向かう気がない。300名のうち60名だけがコバーニーへの帰還を望んだ。他の諸勢力、アメリカに要請すれば、地上部隊を派遣する可能性があると我々は述べている。ペシュメルゲ及びÖSOのみがコバーニーへの部隊派遣のために、我々とコンタクトを取った。」
■ İŞİDはイスラムへの脅威である
ダヴトオール首相はBBC記者の、「トルコはİŞİDとの間に緊密な関係があると非難されている。またトルコはİŞİDにロジスティックな支援、さらには教育や諜報活動を支援しているといわれている」というコメントに対し以下の返答をした:「いいえ、いいえ。まず概念を正しく用いるべきだ。彼らはイスラム的ではない。İŞİDはトルコのみならずイスラム世界に対してもイデオロギー的な脅威を創出している。イスラムの独断的解釈は如何なるものであれイスラムにとっての脅威だ。トルコは民主主義及びイスラムの連帯における成功例である。」
■ トルコは外国人ジハード主義者らと協力したことはない
「トルコ国境からのヨーロッパ・ジハード主義者らの越境問題に関し、必要最低限のことしかできなかったのか?」という問いに対しダヴトオール首相は、外国人ジハード主義者らのトルコ国境からシリアへの越境を許していない事を強調し以下の様に続けた:「あなた方は諜報部の発言について言及されているが、こういった事は断言できない。トルコがジハード主義勢力と協力している、あるいは関連を持っているという証拠は皆無である。彼らはトルコ国境においてトルコにとっての脅威だ。トルコは2013年12月にİŞİDをテロ組織と断定した。他国は何か月もそう宣言しなかった。トルコは2013年12月にİŞİDの諸拠点を爆撃した。トルコ国境に接近するİŞİDメンバーら数百名が殺されている。」
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:35710 )