築400年のモスク、誤った補修工事で崩壊寸前
2014年11月08日付 Zaman 紙


歴史的なゼイネル・アビディン・モスクは、アンカラの古くからの居住地の1つであるアルトゥンダー・ハマムアルカス地区にあり、2005年に 修復されたが、修復から7年も経たずして倒壊の危険に直面した。排水が行われなかったため雨水と雪解け水が基礎に流れ、モスクの壁に亀裂が入ったのだ。礼拝者は壁が彼らの頭の上に崩落するのではと懸念している。

17世紀に建てられたとされるゼイネル・アビディン・モスクと廟はアルトゥンダー・サカリヤ街区のジェヴィズアルトゥ通りにある。2005年にアンカラ広域市当局とワクフ総局の間での取り決めによりモスクを本来の姿に従って修復することが決定された。ゼイネル・アビディン・モスクの修復事業は、すぐ近くにある他の2つの小さなモスクと一緒に、民間業者に委託された。4ヶ月におよぶ工事の後、モスクと廟の開場式はアンカラ広域市のメリフ・ギョクチェキ市長の妻ネヴィン・ギョクチェキ氏、当時の広域市議会のセイフィ・サルトオール議長、当時のワクフ総局のアフメト・タニヨラチ副局長の参加とともに行われた。ミフラーブを除くすべての箇所が補修されたモスクの内外の壁には、泥漆喰が塗られた。
ワクフ総局のアフメト・タニヨラチ副局長は開場式で行った挨拶で、修復が本来の姿に従って行われ、モスクは保護され、今後いかなる問題にも直面しないだろうと話した。しかしモスクを修復した業者が使用した建材とずさんな作業がモスクをほぼ崩壊の状態にまで導いた。モスクの排水が行われなかったために、雪解け水と雨水がモスクの基礎に流れているのだ。木材と日干しレンガで作られたモスクの壁と基礎はこの水に耐えることが出来ず、モスクの全面で大きな亀裂、剥がれが目立っている。モスクには工業用電気配線で稼働するエアコンが設置されているが、この(亀裂などの)ために一度も使用されていない。いつエアコンを動かそうと思ったとしても、モスクの全ての電気は止まっているのだ。業者がモスクの下の部分に(電気)設備と排水(設備)がない状態で蛇口を設置したことも明らかとなった。
街区の住民は修理業者が開場式からほどなくして雲隠れしたと明かし、以下のように話した。「業者の仕事がずさんだったことがわかりました。私たちは管区ワクフ総局に申し立てをしましたが、修復を行った業者に関する情報は得られず、モスクにも業者に関するどんな書類もありませんでした。業者が修理した別の2つのモスクは昨年あらためて補修が行われ、生まれ変わりましたが、ゼイネル・アビディン・モスクはまだ着手されていません。」
地域住民はゼイネル・アビディン・モスクで礼拝することを避け、モスクの下に本来なら無いはずの部屋さえも空いていると話し、「いつも、私たちの頭上に崩落してくるのではと避けています」と話す。

■ゼイネル・アビディン・モスク

モスクはアルトゥンダー郡のサカリヤ街区、ジェヴィズアルトゥ通りに建っていて、直方体の設計で屋根付きの、シンプルな小さい建物だ。オスマン帝国期にオスマン建築様式で建てられ、アルトゥンダー地区内のサカリヤ街区ジェヴィズアルトゥ通りにある。モスクは17世紀の終わりに建てられたが、誰によって建設されたのかは不明だ。屋根は瓦で覆われていて、日干し煉瓦の壁と、木材の梁、石の基礎からなる建物で、外は漆喰と上塗りが施されている。建物の南に隣接する廟は下に地階がある。(モスクの)西面と東面は上側に3つ下側に3つ、南面は上側に2つの窓があり、内壁は漆喰の上から白く塗られている。北側には木造の女性用の礼拝所があり、木製の天井と説教壇は簡単なものである。モスクのキブラ壁上の窓は石膏流し込みの幾何学紋様の飾りが付けられている。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:35810 )