コラム:プーチンとバグダーディー、どちらが危険か?
2014年11月18日付 al-Hayat 紙
■プーチンとバグダーディー、どちらが危険か?
【イリヤース・ハルフーシュ】
このような質問を投げかけることは、一見して奇妙なことに思われるかもしれない。表面的に見ればこの奇妙さは、次のような事から来るものであろう。すなわち、ウラジーミル・プーチンは一国家の大統領であるのに対し、アブー・バクル・バグダーディーは勝手に国家を作り、称号、役職を作った。そして、いかなる人道的・宗教的・文明的価値も無視し、敵対者を帰属故に野蛮なやり方で虐殺した、という訳である。
しかし、スターリンやブレジネフの後継者(プーチン)がヨーロッパの安全保障に対して行ったことと、かたや「カリフ・イブラーヒーム」(バグダーディー)がアラブ地域の安全保障に対して行ったこと、そして彼がその剣によって、地域の住民や彼らの客人の運命に対して、また彼らの国家の国境に対して行ったことを比較してあげつらえば、この奇妙さは薄らぐ。
ウラジーミル・プーチンはロシア連邦を過去の皇帝たちの時代やソビエト連邦の時代に戻そうとしており、イブラーヒーム・ビン・アワード・サーマッラーイー(アブー・バクル・バグダーディー)はアラブ地域をサイクス・ピコ以前の状態に戻し、その文化を、イスラーム諸国家やイスラーム帝国がより高度な価値や発展を知ることとなった啓蒙(けいもう)時代以前のものに戻すことを望んでいる。
死者の数においても、プーチンはバグダーディーと立派に競う事ができ、バグダーディーが今年の夏以降のシリアとイラクにおいて、数千名を殺し、数万名を他の地に追いやったとすれば、ウクライナ東部でプーチンが支援している戦争は、過去半年間で少なくとも3,600人の命を奪っている。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35902 )