「アメリカをムスリムが発見」発言への揶揄に大統領、不満表明
2014年11月19日付 Cumhuriyet 紙

「アメリカはクリストファー・コロンブスではなく、1178年にムスリムによって発見された」と発言したレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、アンカラで行われた115研究施設の合同オープニングセレモニーにおいて、上記の発言は自身がしたものではないことを述べ、さらにこの発言が揶揄されていることに反発を示した。

 エルドアン大統領は、イスラム教・宗教指導者サミットの閉会式において述べた「アメリカはクリストファー・コロンブスではなく、1178年にムスリムによって発見された」という発言を釈明した。

 エルドアン大統領はその発言は自身が行ったものではないことを述べ、さらにその発言が揶揄されていることに反発を示した。

 以下がエルドアン大統領の発言となる。

「自信を持たなければなりません。14日金曜日に私は重要な会議に参加しましたが、そこで41か国から来た71人の宗教指導者を前に演説しました、あることを私は述べました。

これは新しい主張ではありません。現在ドイツで暮らすフアト・セズギンの作品においてもそのことに言及されています。私の主張というわけではありません。学識者が書いたり話したりしているものから私が引用したもので、これをそこで話しました。
トルコでも、世界中でも多くの学識者がこれを主張しています。

この分野の専門家の前に、トルコの若者が、調べもせず、調査もせずに、このことに対し非難し始めました。大の大人達も非難し始めました。コラムニストも非難しています。なぜならば、ムスリムがこうしたことを行えるなどと信じていないのです。彼らは、陸地を通って船を進ませたこと(訳注:コンスタンティノープル征服時のオスマン艦隊の山越え)も信じていません。彼らは何もできなかったのです。彼らは自分たちを信じていないのです。自分たちの学識者らの知識をからかうことは、自分たち自身を馬鹿にすることになるのです」

■エルドアン大統領「アメリカはムスリムが発見した」

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、国民教育省によってアンカラで建設が完了した155研究施設の合同オープニングセレモニーに参加した。あるスピーチで発言した「アメリカ大陸はクリストファー・コロンブスよりも314年も前にムスリムによって発見された」という主張が自身のものではなく、トルコや世界の学識者によって語られているということを述べたエルドアン大統領は、「この分野の専門家よりも前に、国外にいるこの主張に対し議論すべき人々より前に、我が国の若者が、我が国の一部の若者が、調べもせず、調査もせずに、行われた議論をまったく顧みず、それを非難し、馬鹿にし始めました。ただ若者だけではなく、大の大人までもがそれを非難し始めたのです」と語った。
テブフィク・イレリ ・アナドル・イマーム・ハティプ高校での式典でスピーチを行ったエルドアン大統領は、
施設がすばらしいものとなることを願っているとし、また155研究施設の建設に貢献した市民にそして努力してくれた人々に感謝の意を述べた。

■イマーム・ハティプ学校は非常に優秀な人材を育成してきた

エルドアン大統領はスピーチの中で、式典が行われたテブフィク・イレリ ・アナドル・イマーム・ハティプ高校は、否定されてきたにもかかわらず、トルコ(社会)の重要な地位のために、若い人材を、その中には彼の下で働く人々もいるが、育ててくれたと述べた。

過去に限界に達しもちこたえられなくなったこともあったと説明したエルドアン大統領は、「願わくば、二度とそのような日々が我が国に訪れませんように」と述べた。エルドアン大統領は、「イマーム・ハティプ学校の扉の鍵をひとつひとつはずし、捨てました、この学校に至る道中の障害物をひとつひとつ取り去りました。2002年から2003年の教育年では、トルコは全体で440のイマーム・ハティプ高校で、64,500人の生徒が教育を受けていました。現在は、中学と高校の一部の2,638校で、983,000人の生徒が教育を受けています。生徒の数は15倍に伸びたのです」と述べた。

質と量の間での葛藤やそれらの結果について述べたエルドアン大統領は、ただ知識が十分でないこと、またこれだけでなく哲学(知恵)も必要なことを強調し、「この世代は知識と哲学を習得する必要がある。そうすれば将来はかなり違ったものになるはずです」と話した。

スピーチでは、「我々は手に武器、石、バット、火炎瓶を持つ者には絶対になりませんでした。私は以下のことを信じてはいません。イマーム・ハティ-プの若者は絶対に、決してこのような人間にはなりません」と語ったエルドアン大統領は、過去に民主的権利を獲得する闘争を続け、また正義と公正の闘争が今日勝利したと述べた。

■「2月28日プロセスでイマーム・ハティプ学校は幽霊のように扱われた」

エルドアン大統領は、女性の被るスカーフに対し、「恥ずべき路線だ、イマーム・ハティプ校を閉校するように」という者に対して、恐れなかったと述べ、さらに「2月28日プロセスでイマーム・ハティプ校は幽霊のように扱われました。イマーム・ハティプの卒業生は2級市民とされました。しかし最終的にイマーム・ハティ-プの卒業生は首相となったのです、今ではこのとおり大統領です」と話した。

スピーチの中で、学生に向けて、「この素晴らしき闘いは、今後あなた方の肩にかかっています、この民主的闘争はあなた方とともになされるのです」と述べたエルドアン大統領は、悪弊にたいし新世代の人々がしっかりと闘争を続けてくれることを確信していると表明した。エルドアン大統領は、現在までに百万人近くの教師や生徒にタブレット型コンピューターを配布したことを、また、ただイマーム・ハティプ校だけではなく、希望する者が希望する学校で勉強できるために、闘いを続けてきたと語った。

■アメリカ大陸発見に関する議論

あるスピーチで述べた「アメリカ大陸はクリストファー・コロンブスよりも314年も前にムスリムによって発見された」という主張に関して、自身の発言ではなく、トルコや世界の学識者によって述べられていることだと語るエルドアン大統領は、「この分野の専門家よりも前に、国外にいるこの主張に対し議論すべき人々より前に、我が国の若者が、我が国の一部の若者が、調べもせず、調査もせずに、行われた議論をまったく顧みず、それを非難し、馬鹿にし始めました。ただ若者だけではなく、大の大人までもがそれを非難し始めたのです」と語った。
エルドアン大統領は、アメリカ大陸発見に関する発言に、一部のコラムニストらと風刺画家が異議をとなえていることを強調しながら、「なぜでしょうか?なぜならば彼らはムスリムが大陸を発見できるだろうということを信じていないからです。我々(の先祖)がこれを行うことができると信じていなかったのです。また彼らは、祖先が、陸を通って艦隊をすすめ、金角湾に入ったことをも信じていないようです。暗黒時代を終わらせ、明るい時代への扉を開いた指導者たちをも信じていなかったのです。そうです、彼らには自信が欠如しているのです。」

若者が我々の歴史を、また祖先を振り返り、自信を持つことを訴えたエルドアン大統領は、「あなた方は偉大なる国の一員であること自覚し、自信を持つように」と人々に呼びかけた。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:松井友紀 )
( 記事ID:35909 )