コラム:組織から国家へ―イスラーム国の諸州
2014年11月21日付 al-Quds al-Arabi 紙
■組織から国家へ―イスラーム国の諸州
【本紙】
2014年11月13日、「イラク・シャーム・イスラーム国」の指導者であるアブー・バクル・バグダーディー氏は稀な公開声明を発表し、アラブ諸国において新しく多数の「州」を設置したと宣言した。これにより、同氏と同組織は初めて複数の組織が「イスラーム国」に「忠誠を誓った」ことを認めたのである。「イスラーム国」の樹立が宣言されたのは半年前のことである。
2014年6月にバグダーディー氏がカリフ制を宣言して以来、多数の個人やさまざまな異なった組織などが同氏に「忠誠」を誓ってきた。ムスリムのカリフは、以前の音声メッセージでは、「イスラーム国は、2聖都の国(サウジアラビア)、イエメン、エジプト、リビア、アルジェリアの新たな国々に拡大した」と認めただけだった。
この点で、これらの内、最後の3つの国のジハード主義組織が、シナイ半島の「アンサール・バイト・マクディス」、リビアの「イスラーム青年シューラー評議会」、アルジェリアの「ジュンド・ヒラーファ」であることは特筆に値する。「カリフ・イブラーヒーム」(バグダーディー氏)は、同氏に忠誠を誓った、パキスタン、インドネシア、フィリピンなどに本拠地を置く非アラブのグループは無視してきた。
このことは、同じ流派の出身であるアラブのジハード主義者グループとの関係を強化していることを意味している。また、アラブ世界以外の組織を新たな州として宣言するつもりがないということでもある。バグダーディー氏は、この宣言により、上述した5つの場所における地域組織の名称を「廃止」し、「『イスラーム国』の新しい州であると宣言し、総督を任命する」とも指摘した。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35953 )