イスラエル:ネタニヤフ首相が法案提出、「イスラエルは民主国家でありユダヤ国家でもある」
2014年11月24日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ネタニヤフ首相の提出法案、「イスラエルのユダヤ性とダーイシュ性」のはざまで

【社説:本紙】

緊迫した空気の中、怒号が飛び交い机を強打する音が響いた。白熱した議論の末、イスラエル政府はついに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の提出した法案を採択した。イスラエルを「民主的なユダヤ国家」として認めるという法案である。

48年パレスチナ人と呼ばれる人々は、イスラエルの人口の約2割を占めており、その数およそ180万人に上る。彼らは、1948年のナクバ以後もパレスチナの地に残った16万人のパレスチナ人とルーツを同じくする者たちである。彼らはイスラエル国籍を持っているが、イスラエル国内に生きるパレスチナ人は二級市民として扱われる。そのため、雇用機会や住居などの点で、あからさまな差別に苦しみながら生きている。

情報によると、ネタニヤフ首相は自身の提出した法案に反対する閣僚らを怒鳴りつけ、「ユダヤの街でアラブ人が安住を許されるなどあってはならない。同様に、ユダヤ人もアラブ人の街で安住することはできないのだ。一つの国家の中に成長中のもう一つの国家があるようなものだ」と述べた。

ネタニヤフ首相はさらに、「イスラエルはユダヤ国家であると同時に民主国家でもある。ある者はユダヤ性よりも民主主義を、またある者はその逆をと望む。ゆえに私はこれら二つの意見をすり合わせるために法案を提出するのだ」と続けた。

中道派に属する連立与党の主要閣僚であるツィッピー・リヴニ法務相とヤイール・ラピッド財務相は新法を支持しないと表明し、ネタニヤフ首相はこの法案について明日の水曜日(26日)にクネセトで票決を行うことを決めた。これについては、「政権崩壊、シオニズムの破滅、イスラエルの終焉」などの可能性を示唆する警鐘が鳴り響いている。

これら一連の出来事は、占領下にあるエルサレムと西岸において、ここ数週間で第3次インティファーダの兆しが騒がれるなど、緊張状態が激化した中で起きた。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:35979 )