コラム:ヘーゲル退任は米国の対アラブ政策にとって何を意味するか
2014年11月26日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ヘーゲル退任…米国の対アラブ政策にとって何を意味するか
【社説】
解任か、あるいは辞任なのか、さまざまな憶測が飛び交う中、2日前にチャック・ヘーゲル米国防長官が任を去った。直前に行われたオバマ大統領との共同会見で二人が目を合わせることはなく、両者の間に対立があるのは明白だった。
米各紙は、同長官がイラクやシリア、アフガニスタンで起こっている世界的危機の問題について、政権を批判したと報じた。それによれば、特に同長官がシリアや他の諸地域における米国の政策を批判する報告書を記してから、スーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官やジョン・ケリー国務長官と徐々に対立していったのだという。
今後、民主党により近い立場をとる人物がヘーゲル長官の後任に任命されれば、米政権は「より均質化」するものと予想される。しかし、最も重要な問いは、同政権がより「実効的」なものになるか、あるいは、米国が中東で行っている重要な戦争の最中、国防長官の交代を強いられることで、オバマ大統領が敷いた失敗の道を暗に突き進むのか、である。ヘーゲル長官が政権を去ったことで、特にイラクやシリアにおける米国の介入のアジェンダはどのような影響を受けるのか?また、(中東)地域一般に対する政策はどのような影響を受けるのか?
これらの問いに答えるためには、少し時をさかのぼる必要がある。ヘーゲル長官の任命は、基本的には、米国が中東での戦争に再び巻き込まれるのを防ぐことを目的としており、その逆ではなかった。むしろ、ジョージ・W・ブッシュ政権時に、ヘーゲルとオバマは個人的に共通した立場として、上院で米国のイラク侵攻に反対する行動をとっていた。
(後略)
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:35987 )