オジャランの「和平及び民主的交渉プロセスに関する草案」がアンカラ(トルコ政府)で検討される一方、「地域の公共秩序の確保、PKK(クルディスタン労働者党・非合法組織)メンバーのグループのトルコ出国、PKKのトルコに対する武装解除」のステップに「法的保証」の条件を付帯することに(政府から)不満が起きている。MİT(国家諜報機構)のハカン・フィダン事務次官がオジャランと草案の修正について話し合うといわれている。
アブドゥッラー・オジャランの土曜日(6日)に民主社会会議(DTK)のハティプ・ディジレ共同代表が参加した拡大版の国民の民主主義党(HDP)代表団との会合後、今後政府が取るステップに注目が向けられた。土曜日より前の木曜日にオジャランを訪問したのはハカン・フィダンMİT事務次官を代表とする政府代表団であった。
オジャランはHDPに語った、「わたしがあなた方に渡した草案を実行に移さずに、公共の秩序または類似の理由によりわたしたちが別の歩みを踏み出すことを期待しないように」との条件を、政府代表団にも伝えた。政府代表団はオジャランの草案について、「草案は我々の観点からも議論することが可能な枠組みが含まれている。しかし、最終的な決定はトルコ政府が行う」と話し、タイイプ・エルドアン大統領とアフメト・ダヴトオール首相(の判断)を指摘した。最初に得た情報によれば、トルコ政府は草案のいくつかの部分について留保するようだ。政府筋は特に草案の「行動計画」で始まる4番目の部分の6項目の内容に「順序」の観点から異議を唱えている。「地域の公共の秩序の確保、PKKメンバーのグループのトルコ出国とPKKの武装解除」の項目に含まれるステップを踏み出すことに、「法的保証」条件を付帯していることが異議の理由となっているのである。
HDPがおこなった会見でも、法的保証の条件を、「このプロセスの今後のすべての段階で、民主的解決の法的保証を確立させることが絶対必要であり、保証を確立させないで最終的な平和と民主化という目標に到達することは不可能だ。親愛なるオジャランが強調していることだ」との言葉で表現した。
■草案修正が求められる
このような状況において、政府筋はHDP代表団とおこなう予定の一連の会合で「法的保証」の要求を聞いたことで不快感を示したようで、ハカン・フィダンMİT事務次官もイムラル島を訪問し、オジャランと草案の修正について交渉を開始するという。
行動計画を世間に公表するという決定も、政府の「修正」要求があったからなされたのだといわれている。HDP代表団が(政府との)交渉の後にカンディル(イラク北部のPKK拠点)へ行き、オジャランの提出した草案をクルディスタン社会連合(KCK)の指導部とともに検討することは、プロセスの将来から重要である。
■ザナ国会議員もイムラル島を訪問する可能性
HDPのイムラル島訪問団の参加者の変更は予想されていない。オジャランの要求を政府が承認すれば、ディヤルバクル選出無所属のレイナ・ザナ国会議員は、スッル・スュレイヤ・オンデル氏とは「別の代表団」としてイムラル島を訪問する予定だ。ザナ国会議員は、「5年間の政治活動禁止」により無所属の国会議員となった。この禁止は12月14日に解かれる。ザナ国会議員は禁止処置が解かれた後、HDPへの参加が予想されている。
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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:36062 )