コラム:ロシアとトルコがアメリカに対する怒りを爆発させるとき
2014年12月02日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ロシアとトルコがアメリカに対する怒りを爆発させるとき

【社説】

ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシアは、シリアのバッシャール・アサド政権にとって世界最大の後援者であると目されている。また、ウクライナを標的とし、トルコとの結びつきが深いマイノリティーであるタタール人が多く居住するクリミア半島を占領している。一方、レジェップ・タイイップ・エルドアンが大統領を務めるトルコは、シリア政権の最大の敵とされており、クリミア半島の占領をめぐってロシアと対立している。そして、アンカラで行われたロシア・トルコの両指導者による会合は、熱意と積極性を欠くものではあったが、両者の大きなプラグマティズムを示すものとみなされており、エネルギーと貿易の部門において重要な合意がなされた。

両者は当初、シリア問題をめぐっての両者の対立を強調していた。しかし、ロシアの「カエサル」が突然いつもの傲慢さを和らげ、ほとんど謝罪にあたるような演説を行ったのだった(彼は、シリア政府との関係は「限られた」ものであり、ロシアは「そこで起こっていることに直接影響を与えることはできない」、といった旨のことを述べた)…。

ロシア・トルコ両首脳の会談と、それによりもたらされた結果は、様々な経済的要因と結びつけることができる。最も重要なものは、勿論、世界的な石油価格の下落であり、さらにはロシアのEUへのガス輸出量の先月比25パーセントにおよぶ低下、西側諸国による金融面・財政面における制裁の影響、ルーブルの価値の記録的な下落―ドルに換算すればこの1年だけで60パーセント価値が低下した―などの要因である。これらの要因により、ロシア経済の未来は極めて重苦しいものになっている。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:36067 )