火傷の運命を見つめる不安な眼差:元夫に酸をかけられた母娘の物語(4)
2014年11月25日付 Iran 紙
彼女は、焼けただれたのは顔、耳、両手だけではなく、人生のすべての希望や目標も、この酸事件で焼けてなくなってしまったのだと言う。
怯えた様子の彼女によると、いまだに夫から脅迫があるのだという。彼女は言う、なぜ自分に酸をかけた夫がこのような罪を犯したというのに、自由な暮らしを享受しているのか、理解に苦しむ、と。
レイラーは穏やかな笑みをたたえた女性だが、しかし彼女の顔には隠された苦痛と悲しみの跡が刻み込まれている。
この事件で標的となったレイラーと彼女の母親は、当初の治療費を自ら何とかまかなっていたが、しかしいまだに治療は終わっておらず、しかも手持ちの資金も底をついてしまったという。
レイラーは苦笑いをして、次のように言う。
夫とは素行の悪さから逃れるために別れたというのに、まるで意味がなかったようです。いっそのこと、私を殺してくれたらよかったのに、と思います。酸によって私や家族の人生は真っ暗になってしまい、つらい毎日を送るだけですから。もし殺されていれば、一年後にはすべて平穏に戻っていたでしょう。ところが、母は私の顔を見て毎日悲しみに暮れ、私も自分のことが一時もゆるせないでいる、というのが現実なのです。だって、私の存在のせいで家族の生活も暗闇に閉ざされ、私はみんなの恥さらしになってしまっているのですから。
レイラーは最後に、みじかい言葉を残した。
私たち酸かけ事件の被害者の生活や痛み、主張、苦悩を理解することなど、誰であろうとも永遠に不可能です。アリーがいまだに刑務所に収監されず、彼に下された判決もたったの禁錮2年とほんの少しばかりのディーヤ〔賠償金〕のみであることに、驚きを禁じ得ません。私たちはこの判決に抗議しています。
本記事は
Asahi 中東マガジンでも紹介されています。
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( 翻訳者:リリット )
( 記事ID:36107 )