「黒い暴力」—ショック班、世界の酸かけ事件を報告(4)
2014年12月02日付 Iran 紙
アメリカにおける酸かけ事件
アメリカにおける酸かけ事件は、その多くが南部地域で見られる。統計によると、西暦2010年には、アメリカ南部地域で46件の酸かけ事件が報告され、また西暦2012年の最初の四半期だけで、酸かけ事件の件数は同じ数に達した。そしてその被害者の多くが、13歳から41歳までの年齢層であり、またその大半が社会の下層に属する女性たちだった。
犯人に対処するための法律は?
酸かけ事件に対しては、多くの国で特別な刑罰が定められている。例えば、イランではどの酸かけ事件にも、キサース刑が定められている。もっとも、被害を訴え出た人たちが〔加害者へのキサース刑の執行を〕容赦したり、法医学の関係者の意見を考慮したりした結果、こうした〔キサース刑の〕判決がこれまで執行されたケースはない。
酸かけ事件が極めて多いバングラデシュのような国では、西暦2002年の制定以降、酸かけ犯に対して死刑が定められている。しかし、ある女性弁護士によると、これまで酸かけ犯に対して死刑判決が下ったケースは存在しないという。
バングラデシュでは、この問題での法律の施行状況は極めて脆弱で、そのことが酸かけ魔の〔刑罰への〕恐怖は失われ、彼らが酸かけ行為を続ける原因となっている。例えば、ある女性は酸かけ行為によって身体の一部に障害を負ったが、法律は犯人に対して7年から14年の刑罰を与え、それに加えて700ドルの罰金を科した。しかしこの額では、当の女性の身体が負った障害を償うことは、まったく不可能だろう。
統計を見るならば、こうした野蛮な暴力は時間の経過とともに、つねに増加し続けていることが分かる。酸かけ魔たちは、他人の一生をめちゃくちゃにする権利が自分にはあると勝手に考えている人たちなのである。
この記事の冒頭に戻る
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:GMHNK )
( 記事ID:36152 )