コラム:政治的見通しを欠く戦争はテロをより強固なものにする
2014年12月25日付 al-Hayat 紙
■政治的見通しを欠く戦争はテロをより強固なものにする
【アブドゥルワッハーブ・バドゥルハーン】
(シリア危機が始まって)四年が経とうとする中、シリア難民の救済に対する世界の努力は弱まる気配を見せており、シリア政権はこれに対し完全に無関心の姿勢をとり続けた。(パレスチナでは、)支援提供者らがガザ戦争の勃発に辟易した思いを見せ、トンネルの先に差し込む光明を求める焦燥に駆られた。その一方で、イスラエル人は近々戦争が起こる可能性について話し合っている。いかなる場合であれ、戦争が長引けば、戦争に金がつぎ込まれるのと同様、(戦争地域の人々の)衣食住にも資金が必要になる。しかし先月、レバノンを中心としてこれ以上の難民救済は不可能との恐れが生じ、同国の助けを求める声が響く中、関係諸組織は大きな懸念を覚えた。一方、ベルリンで最近行われた会議では、紛争が絶えない地域に向けた寄付金の申し出がより多く必要であるとして、資金の必要性が明らかになった。助けを必要とする人々の救済を目指すロードマップ上には、イラク等の産油国も含まれる他、シリアやガザ、イラクのクルド人地域、レバノン、ヨルダン、トルコも対象とされる。そこでは多くの人々が家や生活、住んでいる町を跡形もなく破壊され、彼らの故郷を追われた。ガザの人々の場合、占領軍の存在により同地区の中心部から追われ、またモースルやアンバール県の人々は、自分たちがキリスト教徒、ヤズィーディー教徒あるいはスンナ派であるという理由から、故郷を追われた。そしてシリア人の場合、ほとんどの都市や街で、政権から節制なき市民と見なされた者たちが放逐された。ゆえに彼らが故郷に残るための助けが必要とされた。しかし、救済機関は今、新たな現実に直面している。これらの機関には、新たにレバノン人やヨルダン人、さらにはクルド人も視野に入れることが求められているのだ。すなわち、彼らを取り巻く状況が、彼らの国に留まっている難民たちの存在により影響を被ったためである。
(後略)
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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:36332 )