■モスクワはシリア反体制派への警戒を緩和
【ロンドン・ベイルート:本紙・AFP】
アメリカ軍は、「イスラーム国」(ダーイシュ)との戦闘に向け、穏健なシリア反体制派の戦闘員を訓練するため、軍事専門家400名の派遣の時期を早めた。また「イスラーム国」は、シリア北東部で自軍の幹部複数名と対立していた17名を、虐殺の報復として処刑した。一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、反体制派政治勢力に対する警戒を緩和した。これは今月末にモスクワで行われる協議会に彼らが参加しない現状を踏まえたものである。
アメリカ国防総省(ペンタゴン)のスティーブ・ウォーレン報道官によると、アメリカ軍は、「ダーイシュ」との戦闘に向けてシリア反体制派の戦闘員を訓練するため、兵士400人以上の配置を計画している。この決定は、イスタンブールで行われた、アメリカの高官らと反体制派の「シリア国民連合」幹部の会合の翌日になされた。ペンタゴンのアリッサ・スミス報道官は、「これらの準備会合は、重要な1歩であった。一方で我々は、同盟国とともに、訓練や設備計画を春に立ち上げるための準備を進める」と明らかにした。これは、アメリカが主導する有志・アラブ連合の空爆の継続によって、「ダーイシュ」の侵攻を止め、最終的には敗北させるため、3年で戦闘員1万5千人を訓練するという、アメリカのバラク・オバマ大統領の計画の一環である。
複数のアメリカ情報筋は、本紙に対し、この部隊の目的は、「ダーイシュ」、及び「アル=カーイダ」と関係のあるグループとの戦い、またイラクの(失敗)経験を帳消しにする試みであると述べた。そして「今日のシリアにおけるアメリカ政府の問題の一つが、イラク軍やクルド人部隊(ペシュメルガ)に代表されるイラクの状況と同様に、現在、地上における実働パートナーが不在であることだ」と指摘した。
(後略)
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( 翻訳者:中村江見 )
( 記事ID:36620 )