われわれは、小難を逃れ、大難に陥るものである。それは、衛生や健康の問題に関わるわれわれの情報がわずかであるとき、また情報伝達がこの分野において、ごくわずかであったり、不足していたり、時には間違いでさえあるときにおいてだ。
前例はたくさんあるが、つい先日(デイ月26日:西暦1月16日)二つの信頼のおける事情筋からある問題が提起された。それは、未だにもっとも基本的な衛生問題について、どれほどわれわれは情報伝達の脆弱さに直面しているかを示している。
保健省大臣と食品医薬品庁長官は、バルク(搾乳して大きな容器に詰められたまま物流にかけられたもの)生乳の消費に関して警告する一方、他方では、イランエイズ研究センター長はエイズ感染の観点から、人々に歯科医院に対して過剰な恐れを抱かせてしまったことに遺憾を表明している。
この第一の問題の原因はほぼ明確である。それは工場で製造された牛乳にパーム油(アブラヤシから採る食用油)が含まれているというニュースが流布して以来、市民がバルク生乳の消費を歓迎するようになってきたと言われている。市民は、バルク生乳についての(それが安全であるという)誤った分析を信頼しようする。ただ時々矛盾したニュースが発表されることが、この状況に拍車をかけている点は否めない。実際、どの乳製品製造工場もパーム油を使用していないという発表が一度なされ、その後、やはりパーム油が牛乳に含まれているというニュースが流されているのである。
この状況を受けて、食品医薬品庁長官は再度以下のように警告した。「バルク生乳は低温殺菌されていないので、マルタ熱などの病気に感染する可能性が大いにある。」
第二の問題もまた、イランエイズ研究センター長のミーヌー・モフラズ氏が『自己点検法による歯科学における感染対策』大会の開催の合間に「人々が歯科治療を怖がるようになってしまったことについては残念に思う。ただ歯科治療を怖がることが、現状においてこの病気本来の感染ルートを顧みない状況を生んでしまっている。」と語っている点を考慮すれば、この分野における情報伝達の脆弱さが露呈していると言える。
彼女の言によれば、歯科医療器具の殺菌方法の原則が遵守されていない場合、B型およびC型肝炎に感染する可能性がある。しかし、この懸念があるからといって国民が歯科医院の診察室での治療を控えなければならない訳にもならない。
モフラズ氏は以下のように確信している。「エイズウィルスへの感染は、歯科医院や美容院と比較すれば、はるかに高い危険性を有する性的交渉を通じてより多く発生している。この誤った恐怖は、より恐ろしいものへとなりつつあり、より多くの問題が起こる可能性が高まってきている。問題は各種民間公益団体、そしてもちろん保健省が、小さな病をきっかけに大きな病を招いたりしないよう注意喚起と正しい知識の伝達を行わなければならないということだ。」
(社会部:アーヴィード・ターレビーヤーン)
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( 翻訳者:32hasan )
( 記事ID:36740 )