リビア:「ダーイシュ(ISIL)」が油田を掌握
2015年02月05日付 al-Hayat 紙


■「ダーイシュ」リビア油田を占拠

【トリポリ:アリー・シュアイブ;ベンガジ:本紙】

「ダーイシュ」に所属する武装集団が、リビアのスルト市南部において、フランスの大手石油会社「トタル」が配当を保有するマブルーク油田を占拠した。報告によると、武装集団は火曜日から水曜日にかけての夜間に攻撃を実行し、近隣都市のミスラータ出身と思われる警備員5名を殺害、3名のフィリピン人労働者とバングラディシュ人1名を人質として誘拐したとされている。

これは、5名の自爆攻撃者がトリポリの高級ホテルに侵入した事件(訳注:1月27日にホテル「コリンシア」で起きたテロ)に引き続き、リビアにおける「ダーイシュ」の二度目の大きな攻撃である。トリポリの事件では、ホテル前で車爆弾が爆発し、そしてホテル内部に侵入した襲撃者が体に巻いていた爆弾ベルトで自爆した。これにより、アメリカ人など5名の外国人を含む9名が死亡した。

リビアの情報筋は、2013年のシドラ湾石油積み出し港における戦闘の勃発以降、「トタル」社の職員は油田から撤退していることを指摘し、今回の人質の中にフランス人が含まれているという噂を否定した。

本紙に対し、リビア石油機構のムハンマド・ヒラーリー報道官は、マブルーク油田に残っていた労働者について、「武装集団による占拠をうけ、火曜日の夜から水曜日にかけて油田から完全に撤退した」と述べた。また「一日40000バレルの石油を製造し、隣接するシドラ港に供給していたマブルーク油田は、石油の三日月地帯(訳注:リビア東部の油田集中地域)における戦闘の勃発以降、その業務を停止している」と説明した。

情報筋は本紙に対し「武装集団はダーイシュに所属し、その内1名がリビア人であり、その他のメンバーはひげを伸ばした過激派のアラブ人や外国人である」と伝えた。また、この情報とテロリストの人質には3名のフィリピン人と1名のバングラディシュ人が含まれるという情報は、隣接するザラ油田に逃亡することに成功した9名のリビア人によりもたらされたことを付け足した。マニラは捕らわれた自国民の解放に向け尽力を始めたことを強調、そしてリビア治安当局の情報筋は、マブルーク油田との連絡は占領以降途切れていることを報告し、また、襲撃者たちはファザーン(フェザーン、南部地域)方面から来たことを指摘した。

(後略)

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( 翻訳者:山名結子 )
( 記事ID:36834 )