テヘラン自動車検査公社本部の専務取締役ヴァリーロッラー・アーザルヴァシュ氏は、「現在テヘランでは、車検が義務付けられている270万台の自動車が交通に利用されているが、本部の集計によれば、この内27%が排気ガス試験に不合格となっている」と述べた。
イラン学生通信の報道によれば、アーザルヴァシュ氏は、検査公社では18項目を検査しているとして次のように述べた。「明らかなのは、この18項目の内のどれか一つに故障や不具合があると、大気汚染の拡大は深刻なものとなり、直接あるいは間接的に自動車メンテナンス費用を倍増、あるいは燃料費を増加させる原因となる。」
彼は続けて、「例として現在テヘランでは、車検が義務付けられている270万台の自動車が交通に利用されているが、本部の集計によれば、この内27%が排気ガス試験に不合格となっている。つまりこれは72万9000台の車両が基準を超える排出ガスを出していると考えられる。この問題は、燃料と排出ガス生成の二つの面から調査する必要がある。」
また「自動車が排出ガス試験に不合格となるのは、様々な原因、例えば三元触媒の破損、燃料供給系や電装系の不具合がある。これらは結果として燃費の悪化を招いている。」と述べた。
更に彼は「石油製品販売国営公社の発表によれば、1393年アーザル月(2014年11-12月)のテヘランの平均燃料消費量は一日あたり1400万リットルである。72万9000台の車両の排出ガス問題を是正することは、この高い燃料消費率を下げ国家規模の節約につながる。」と述べた。
アーザルヴァシュ氏は、次のように説明した。「排出ガス試験に不合格となった車両は、単に三元触媒が破損しているだけの状態でユーロ2からユーロ1[訳注:自動車排出ガス規制の名称。現在EUでは数度の改定を経て、より厳しいユーロ6が基準となっている]に格下げられると仮定すれば、ユーロ基準表を元に不合格となった72万9000台の車両が、年平均2万キロ走行したとして、1年で7290トンの一酸化炭素と6853トンの未燃焼の炭化水素と有害物質が余分に排出されることになる。去年の国会の調査委員会の報告によれば、イランにおける大気汚染の年間損失額は、80億ドルに上る。車検の実施は、この損失額の減少に効果的な役割を果たしうるものである。」
加えて「自動車検査公社本部で実施される他の検査の一つは、タイヤの偏摩耗を引き起こす原因を検出するホイール・アライメント試験である。本部の既存の統計によれば、この試験で被検査車両の18%が不合格となる。この割合は、つまり約48万6000台にあたる。それらの車両のタイヤは、本来の寿命を向かえる以前に使用不能となる。」と述べた。
同氏は、「自動車タイヤ販売組合会長の発表によれば、40%が国産タイヤで、のこりの60%が輸入タイヤである。輸入タイヤは最低でも一組150ドルする。ホイール・アライメント試験に不合格となった車両の60%がタイヤ交換に輸入タイヤを使用すると、金額にして4400百万ドルつまり1500億トマーン(日本円で約10億7000万円)が外国へ流出することになる。つまり、車検を行うことで、少なくともこれだけの現金が国外に流出することを防げるのだ。」と説明した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:She'raye Shami )
( 記事ID:36943 )