アフメト・ダヴトオール首相は、ニューヨークのリッツ・カールトンホテルを出る際、記者らの質問に応じた。
ダヴトオール首相は、アブドゥッラー・ギュル氏の[総選挙での]国会議員としての出馬による政界復帰に関し、「親愛なる元大統領が再び公正発展党(AKP)で重要な役割を担うこと、或いは党内で政治に携わることは我々にとって非常に誇らしい進展となる。したがって当然判断はご当人の下すものであり、こういった試みのために我々が招請する必要などは全くない」と答えた。また共和人民党(CHP)の解党に関する報道については、「詰まる所、選挙に関して彼らの希望はそれほど小さいものだということ。このような類の噂を利用して、何か普通ではない雰囲気があるといったような見方を与えようとしている。ここに宣言する。AKPは、解党を認めることはない」と述べた。
■ギュル氏の立候補は喜ばしい
アンカラの舞台裏で長いことささやかれていた、第11代大統領アブドゥッラー・ギュル氏のAKPからの政党復帰について、初めてエルドアン大統領の口から実質的な言葉を発した。大統領の「(ギュル氏の)立候補は妥当」という発言は、歓迎の意として解釈された。大統領は昨日この質問に関し、以下のように説明した。
「政権復帰は、アブドゥッラー氏自身の判断である。私は先週彼と会った。親愛なる彼のお父様が体調を崩され、アブドゥッラー氏もカイセリに行ったとのことでした。私はカイセリにいる彼にこの件で電話をし、一刻も早い回復との言葉を述べた。他の政治的な決定は当然アブドゥッラー氏が行うものである。ですが私個人的な見解としては、こういったことに彼が決定を下せば、素晴らしく喜ばしいことだと考えている。」
「大統領は、氏の政権復帰をお望みですか?」という質問に関しては、「述べたとおり。妥当なことである。決定を下すのは当然アブドゥッラー氏だが」と答えた。
■会合予定
ここ暫くエルドアン大統領と顔を合わせる党の要人たちは、ギュル氏の政権復帰と、国会議員立候補に関して説得するよう提案していた。この時、エルドアン大統領は説明を聞く際、否定的な雰囲気は出さず、また意見も述べなかったという。先週行った両者の電話会談の際も、この件が今一度話題になったといわれている。この電話会談では、ギュル氏とエルドアン氏が来週中にも会合を設けると約束をしたといわれている。
■閣僚にはならない、賢人となる
ギュル氏の政権復帰を支持するAKP党員らによると、彼は党内で重要な使命を帯びる可能性がある。彼が「賢人、調停人、仲介者」としての役割をうまく果たすと信じている人々は、ギュル氏が党内における「過去と未来」の間を繋ぎ、大統領と首相の間で起こりうる不和に何らかの役割を果たし、また解決プロセスで「庇護者」的役割を果たすではないかと考えている。ギュル氏が内閣または党内で役職を得るといったことは話題に挙がっていない。
ギュル氏に近いAKP党員らは、彼が党首候補となるのかということは話題となっていないと述べている。また彼らは、「しかしながら党内が悪い方向に向かう場合、ギュル氏はその選択肢となるうる。これは、[直近のことではなく]長期的展望である」と話している。
■復帰のための2つの準備
ギュルに近い筋は、ギュル氏の復帰のために扉を閉めず、余地を残しておくこと、しかしこのためには2つの条件があると述べ、「当然まず何よりも[政界復帰への]招待の方法です。首相自らが招請すること、そして国会議員としての立候補も党が彼に見合う形で式典を行い、発表することが必要である」と話した。
■だめなら財団理事
これらの取り組みにもかかわらず、ギュル氏が党に招請されない、またはそれを受け入れないようなことがあれば、彼自身が以前創設したアブドゥッラー・ギュル財団で積極的に活動していくこともあるとされている。
■候補に関しては質問に答えず
第11代大統領アブドゥッラー・ギュル氏は、金曜礼拝のためにベイオウル・アナドル・イマーム・ハティプ高校ジャーミーを訪れ、これにはAKP副党首のメフメト・アリ・シャーヒン氏、AKP諮問役代表のヒュセイン・チェリキ氏も同行した。ギュル氏らは金曜礼拝の後ベイオウル・アナドル・イマーム・ハティプ 高校を訪問した。この際、報道陣らの国会議員として立候補するかどうかについての質問には答えなかった。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:木全朋恵 )
( 記事ID:37063 )