サウジアラビア:ムスリム男性と異教徒の女性との結婚について論争
2015年03月12日付 al-Hayat 紙


■イスラーム法学評議会は、ムスリム男性と「啓典の民」の女性との結婚を「宣教」の促進と理解

【ジッダ:アブドゥッラー・ジュライダーン】

先に本紙が掲載した、サウジ司法省の機関誌に掲載されたイスラーム法学調査が反響を呼んだ。その調査は、ムスリム男性と「啓典の民(ユダヤ教徒、キリスト教徒)」女性との結婚に、その合法性を根拠づける効果や有効性を認めないという見解を支持するものであった。これは、法学者間の見解では広く議論される問題である。イスラーム法の専門家は、本紙へのインタビューの中で、法学調査の見解は受け入れられないこと、ムスリム男性とイスラーム法で定められた「啓典の民」の女性との結婚は合法であり、それを禁止すれば、とりわけイスラームへの宣教における最たる方法を妨げることを強調した。

世界イスラーム法評議会メンバーのハサン・サファル博士は、本紙に対して次のとおり述べた。多くの法学者が比較法学の枠内で本事案について議論しており、その背景には、政治にかかわるイスラーム法による政治思想における規制がある。それは公共の利益であり、かつてカリフ・ウマル・ブン・ハッターブは、ムスリム男性との啓典の民の女性との結婚を禁じた。それは、ムスリム男性とムスリム女性との結婚を避けるいわれはないからである。

また同博士は、次のとおり説明した。現在は宗教間にも合意や理解が見られ、というのも、その結婚には、啓典の民によるイスラームへの改宗、イスラームの普及、道徳性の形成という一定の意義がある。特に、ムスリム諸国と非ムスリム諸国との交流は必要かつ重要であり、それは現実的な交流を目指すものである。イスラーム法の観点を非ムスリムに教示するには、家族を通すことが重要な効果を持つ。

同博士は、本紙に掲載された、法学調査にならってムスリムと啓典の民との結婚を禁止するとの発言は、人々にイスラームを宣教する方法を妨げるものだと述べ、本事案は、宗教権威を持った法機関が着手すべきだとし、世界イスラーム法評議会が議論することを求めた。また、まずもって教義調査が、本事案について、ムスリム男性と啓典の民の女性との結婚の禁止を求めはするが、不利益とも損失ともしないイスラーム法の規制に沿って扱うよう述べた。

同博士は、本事案についての法学調査の結果について、一般論による説明であり、詳細な結果ではないと回答した。また、実証的な成分化が、現実の法に基づいてなされ、状況や環境も考慮されるべきだと指摘した。これは状況、場所、時間によって異なる法的観点や法裁定が組み合わさる、イスラーム法による政治思想の教学事案だとした。また、法文はイスラームやムスリムを侮辱するものにならないよう考慮しなければならないと加えた。

(後略)

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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:37104 )