コラム:バグダードはイラン帝国の首都か?
2015年03月10日付 Al-Nahar 紙

■コラム:バグダードはイラン帝国の首都か?

【ベイルート:ラージフ・フーリー】

アメリカは、その成立が見込まれるイランとの核合意において「安心の分配」を試みている。バラク・オバマ大統領は、「もし、イランの核兵器所有を阻止する合意に至ることができない場合、アメリカは交渉のテーブルを離れる」と述べてフランス人の安心を望んだ。だが、湾岸・アラブ諸国の人々を安心させることはできるだろうか?

否。ジョン・ケリー国務長官が、アメリカの核の傘を湾岸協力会議の諸国に申し出るとき、それはアメリカが「両手で食べる」ことを望んでいることを意味している。すなわち、右手では、2008年以降、アメリカがイラクにおいてテヘランにプレゼントしたように(訳註:オバマ大統領は2009年にイラクからの米軍撤退を開始)、イランとの合意に基づく地域協調を求め、同時に左手では、湾岸諸国をその核の傘と支配の下に置くことを欲している。

(中略)

問題は、単にイランが核兵器を所有することだけではない。アメリカが目をつぶっている間に、イランがイラク、シリア、レバノン、イエメンへと拡大したその影響力を、アメリカの祝福を得て地域全体へと広げることだ。オバマのイランとの核合意は「その確認」になりうる!

もしイランが核兵器を所有したら、それを脅迫の道具に使いながら地域における影響力拡大を図るであろう。オバマはハサン・ロウハーニー大統領のアドバイザー、アリー・ユーネスィーの声明を読む必要がある。ユーネスィーは、オバマが交渉のテーブルを離れることをほのめかしたことに対し、こう語った。

「もし、イランが今日再び帝国になったとしたら、現在のバグダードが首都になる。バグダードは、今も昔も我々の文明、文化、アイデンティティーの中心である・・・イランとイラクの地理、文化は不可分のものである・・・中東地域はすべてイランであり、そこに住むすべての人々はイランの一部である。我々は、地域におけるイラン統一の達成を望んでいる。」

ある者は、この言葉が、かつてイラクを支配し、首都を置いたイスラーム以前の時代のササン朝ペルシャ帝国(訳註:ササン朝の首都はクテシフォン(現在のバグダードの南東)に置かれた)の復活を指すと見るかもしれない。他の者は、イランが地域を支配することは、同国が核兵器を所有することよりも危険であると見ている。

テヘランが地域の支配を完了する前に、ロウハーニー大統領のアドバイザーがすべての者に対し、宣戦布告するであろう。「我々は過激派、不信仰者、新オスマーン主義者、ワッハーブ主義者、西洋、そしてシオニストに対抗する!」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:37105 )