欧露パイプライン、「トルコライン」以外に選択なし
2015年04月17日付 Milliyet 紙


ロシアからヨーロッパへの天然ガス供給ラインはトルコのトラキヤからギリシャ、マケドニア、セルビア、そしてハンガリーへと伸びる予定だ。欧露間の天然ガスパイプラインにとって「トルコライン」は唯一の選択肢となろう。

「トルコライン」は、ロシアの天然ガスをギリシャ、マケドニア、セルビア、そしてハンガリーを経由して中央ヨーロッパへと供給することを計画しており、ヨー ロッパはもちろんトルコの消費者にもガスを供給することとなる。2019年にロシアがウクライナ経由での天然ガスの供給を停止することにより、「トルコライン」はヨーロッパ諸国にとって非常に重要な役割を担うだろう。

圧縮基地があるロシアのルスカヤから黒海地方へと繋がる予定の「トルコライン」は、海底を910キロメートル進みクユキョイ近郊でトルコへと繋がり、リュレブルガズでトルコの消費者の許へガスを供給する予定だ。また、イプサラを経由してヨーロッパ方面にも続いていく。オーストリアへと繋げることは可能だ。そしてハンガリーとギリシャから前向きな返事が返ってきた。供給ラインの最終状況は、ロシアとヨーロッパ諸国との間の交渉結果次第である。

■EUは自らのラインを手がけることとなる

ロシア側は、ギリシャとの国境から先はハイプラインを広げないとし、ヨーロッパ諸国が自らパイプラインを作り上げる必要があるとしている。自らのラインを自分たちで手がけることとなっているギリシャが、パイプラインのこの部分を「トルコライン」と呼ばないとしたことは、以前議論の的となっていた。

ギリシャは、ロシアからの天然ガスのために供給基地をつくることに前向きで、ハンガリーと同じくこの計画に関して非常に積極的な立場をとっている。ヨーロッパのフランスやドイツの様な大国は、「トルコライン」をロシア・ヨーロッパ関係の文脈の中で戦略的に見ており、ギリシャやハンガリーは「トルコライン」をロシアからより多くの天然ガスを調達するためのチャンスであると考えていると言われている。特にヨーロッパによる経済制裁に対して左派政権を選んだギリシャがEUと距離をとったことは、ロシアの資源に対してより積極的になることに前向きである[理由]と見られている。ギリシャのアレクシス・チプラス首相がロシアを訪問したことで、ギリシャがヨーロッパのエネルギー調達にとって重要な立場にあることがわかった。

■軟化の兆候

もしヨーロッパが「トルコライン」への参加をためらえば、ロシアの会社ガスプロムは天然ガスを他の方面に向けるプランも用意している。ロシア関係者たちは、2019年にロシアはウクライナ経由でのヨーロッパへの天然ガスの供給を停止することを明かしている。パイプラインが計画通りに完成するとなると、今回の「トルコライン」はヨーロッパにとって唯一の選択肢となる。ヨーロッパに少しでも高くガスを売りつけたいという思惑のロシアにとっても、今回の「トルコライン」 はある種の切り札となると見られている。ロシアは、このようにして、ヨーロッパがウクライナの問題で自身たちに向けた厳しい政策を緩和させることができると考えている。EUが、エネルギー連帯の件で加盟国に協調を呼びかける一方、ロシアに対する門戸を完全に閉ざさないという立場を取っていることは、緊張緩和の兆候であると見られている。

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( 翻訳者:三井景介 )
( 記事ID:37323 )