ドイツには140万の有権者がいる。ドイツに住む有権者は5月8日から31日までの期間に、13か所に設けられる投票所で、トルコで6月7日に実施される総選挙の投票を行う。
国外では国内より早く投票が行われるため、各政党の党首はドイツで選挙戦のスタートを切っている。CHPのケマル・クルチダルオール党首が、この選挙において国外で集会を行った最初の党首となった。CHPのケマル・クルチダルオール党首は、デュッセルドルフのISSドームで集会を開いた。
■かつてない盛況!
合計で1万3800人を収容できる規模のアリーナが満員となり、その熱気はこれまでの選挙集会を上回っていた。CHPのクルチダルオール党首の前に、サバハト・アクキラズ氏やムスタファ・オザルスラン氏といったアーティスト達がコンサートを行い、その後、ドイツの政治家たちがスピーチした。ケマル・クルチダルオール党首のは演説のために、「ケマル首相」というスローガンが叫ばれる中、壇上にのぼった。集会には、ドイツ各地や近隣諸国から党員が参加した。
ドイツでは、MHPのデヴレト・バフチェリ党首が4月26日の日曜日に、オーバーハウゼンのケーニッヒ・ピルスナー・アリーナで集会を開く。5月3日の日 曜日にはAKPの党首であるアフメト・ダヴトオール首相が、ドルトムントのヴェストファーレン・ホールで有権者らに支持を求める。
■クルチダルオール党首:みなさんは国会へ10人の議員を送れる
CHPのケマル・クルチダルオール党首は、デュッセルドルフでトルコ国民に向けて行った演説の中で、ヨーロッパで生活する国民が国外から10人の議員をトルコ大国民議会へ送ることができるよう、国外の選挙環境を整えると約束した。
CHPのクルチダルオール党首は、ドイツに住むトルコ国民とデュッセルドルフに集まった。ISSドームで国民に呼びかけたクルチダルオール党首は、ドイツの移民達への挨拶で演説を始めた。クルチダルオール党首は、「異なる言語を話すのだとしても、人間を愛しているなら、心に人間愛があるならば、我々の相互理解を妨げる問題などは全くありません。ドイツはその典型的な例でしょう。みなさんは(ドイツへ)来て、働きました。今日のドイツの成長と発展、ヨーロッ パの成長と発展には、みなさんの労働、心、涙、堂々たる振る舞いがあります。我々はみなさんを誇りと名誉に感じています」と述べた。
■「SPD(ドイツ社会民主党)は、ドイツの若者たちのために活動している、我々も彼らを支援していく」
クルチダルオール党首は、ドイツに住む若者達はトルコの希望であり未来であると述べ、「みなさんが幸福な時、信じてください、トルコの我々も幸福です。みなさんが安らかな時、信じてください、トルコの我々も安らかです。私は、これから言うことを強調しておきたい。我々は社会民主主義の政党です。人々を、政治の中心に置く政党です。人々の幸せのために活動する政党です。ですから、ドイツのSPDとの協力関係は我々にとって非常に重要なものです。彼らもみなさんの幸せのために活動 しています。我々も彼らを支援していきます」と話した。
クルチダルオール党首は、「ドイツには(CHPの)団体があります。ドイツの法律に従って作られた団体があります。我々を結ぶ団体の、価値ある運営者達へ、心からの感謝と祝福を送りたい。我々のドイツにおける声、目、耳が彼らです。彼らに深くお礼申し上げます」と述べた。
■「トルコのクリーンな政治のために」
クルチダルオール党首は、ドイツ移住55周年が祝われたことに言及し、「みなさんはドイツでの困難な条件を乗り越える過程を経ました、労働者としてやって 来て働きました。今日、移住55周年が祝われています。ですから、立ち返って、このように見る必要があります――55年前にみなさんはやって来て、今日ではみなさんの中にアーティストや映画監督、学者、政治家がいます。生活のあらゆる分野で地位を得ています。そしてあらゆる分野で声を上げています。あらゆる分野で力を持っています。その力を、トルコのためにも使いたいと我々は考えています。何故ならば、トルコの民主主義に必要だからです。トルコの自由に必要だからです。トルコが共に生きるために必要だからです。トルコのクリーンな政治に必要だからです」と話した。
■「デニズ・フェネリの悲劇を忘れない」
CHP党首は以下のように演説を続けた。
「我々がみなさんの問題を追っていないなどとは、決して思わないでください。みなさんが乗り越えた困難の1つが、ここで起きたデニズ・フェネリの悲劇です。この事件を我々は決して忘れません。イスラム系企業の仲介によって、ドイツで労働がどのように搾取され、どのように盗まれたかということを我々はよく知っています。しかし、私はある1つのことを誰にも忘れていただきたくない。CHPたる我々が、みなさんのあらゆる種類の問題に対して、最も敏感にアプ ローチを行い、解決策を生み出す政党であるということです。全ての問題に我々は取り組んできました。デニズ・フェネリ事件が起きた時、私はドイツへ来ました。イスラム系企業の悲劇があった時、私はここにいたのです。最も純粋な気持ちや信頼が搾取され、信念が労働を盗むために利用されました。ですから、 デュッセルドルフから国外にいる国民全員に再度呼びかけたい。みなさんの信念は我々の信念です。みなさんのアイデンティティは我々のアイデンティティです。みなさんの生活様式は我々の生活様式です。我々は1人も排除させず、国外の国民全員をカバーし扉を開いています。」
■「みなさんが国外から10人の議員をトルコ大国民議会へ送れるようになる」
クルチダルオール党首は、トルコ大国民議会へ、国外の選挙環境を整える法案を提出したと述べ、「国外でおよそ500万人の国民が生活しています。その大部分は西ヨーロッパにいます。我々は国外の選挙環境のための法案をトルコ大国民議会へ提出しました。我々の目的はこういったものです――国外から少なくとも 10人の議員が、トルコで、トルコ大国民議会で、国外で働く労働者を、活動する人々を、アーティストを、生活のありとあらゆる面で結びついて働く国民を代表する。そういう法案を提出しました。もしこれが通過したら、みなさんに確実にお約束しますが、6月8日にCHP政権が最初に行う仕事の1つがこれになります。我々が国外の選挙環境を整えれば、みなさんは、みなさん自身の自由意志によって選んだ10人の国会議員をトルコ大国民議会へ送ることができるでしょう」と話した。
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( 翻訳者:粕川葵 )
( 記事ID:37389 )