イエメン:同盟国はイエメンでの「安全地帯」設置を検討する
2015年05月05日付 al-Hayat 紙


■イエメン:同盟国はイエメンでの「安全地帯」設置を検討する

【サナア、アデン、リヤード:本紙】

サウジアラビアのアーディル・ジュベイル外相は、同国が同盟国と共に、イエメンにおける安全地帯の設置を検討していると述べた。安全地帯では安保理決議2216に基づき、支援物資到達のため、特定の時間に全ての空爆が停止される。

ジュベイル外相はフースィー派民兵とこれに忠誠を誓う各部隊に対し、同地帯での空爆停止を悪用したり、同地帯への支援物資の到達を妨害したりしないよう警告し、サウジアラビアは「この人道救援活動を妨害するあらゆる敵対的な動きに対するいかなる侵害行為にも、空爆の再開をもって対処する」と強調した。

(ジュベイル外相は)国連や人道組織、イエメン国民への支援提供を希望する国と、全ての救援活動を調整し、国連が支援物資を困窮する人々のもとへ届ける活動を保証するため、サウジアラビアが統一本部を同国内に設立するつもりであることを明らかにした。支援の中にはサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が最近命じた2億7400万ドルに及ぶサウジアラビアからの支援も含まれている。

アブドゥラッブフ・マンスール・ハーディー大統領支持者と「南部運動」メンバーからなる武装抵抗勢力は昨日(4日)、アブヤン県ラウダル市においてフースィー派集団と同集団に忠誠を誓う軍に対し物的人的被害を与え、彼らの拠点を制圧した。一方、アデンやタイズでは戦闘が続いており、サナア、サアダ、イッブ、アデンのフースィー派拠点に対する同盟国部隊の戦闘機による空爆も継続中である。

さらに2日にはタイズで武装抵抗勢力が前進を続けフースィー派を追放して新たな戦略的拠点を制圧した。同時にダーリア県では激しい戦闘が行われ、ハーディー大統領支持者と武装部族集団が県中心部への侵攻を目的とした新たなフースィー派の攻撃を阻止した。

同盟国の戦闘機はサナア空港や南北の共和国防衛隊の軍事キャンプに対する攻撃を行い、目撃者によると空港への爆撃によって、フースィー派集団がタイズへの増援部隊輸送に使用する予定であったロシア製輸送機「イリューシン」が焼失した。

また、イッブ県サッダ地区のフースィー派拠点やフースィー派集団の要塞であったサアダの拠点にも空爆が行われた。目撃者とイッブ県の医療筋によると、ある攻撃はサッダ地区のミスカート村を標的とし、結果として民間人10人が死亡、他15人が負傷した。攻撃は先の国民対話会議のメンバーでありフースィー派集団に近い司令官の1人であるヤフヤー・シャーミー少将宅を狙っていたものと思われる。

アブヤン県の抵抗勢力情報筋によると、武装抵抗勢力はラウダル地区においてフースィー派に忠誠を誓う各部隊を3方面から包囲し、多くの装備を破壊し、激しい戦闘ののち彼らの拠点を制圧した。この戦闘ではエクド山やハムラー山に対する攻撃を阻止した武装抵抗勢力側に4人の死亡者が出たが、フースィー派側でも少なくとも20人が死亡した。

アデンでは情報筋によると、南部の武装抵抗勢力がアデン空港のうち制圧した一部を保守し、フースィー派とこれに忠誠を誓う軍の拠点を標的とした同盟国部隊の集中攻撃のなか、空港の周辺及び東側でフースィー派孤立部隊との戦闘を行った。

爆撃はアリーシュ地域を標的とし、またラハジュ県サブル地区にある第5大隊の軍事キャンプをも狙った。アリーシュ地域に向かっては武装抵抗勢力が前進を行っている。アデンのムアッラー、クルーア、カリートル、タワーヒー各地区では激しい衝突が起き、フースィー派情報筋によると同派はタワーヒー、ムアッラー、ハーフーン各地域において前進を果たした。

衝突と爆撃の続くタイズ市では、抵抗勢力情報筋が昨日(4日)、武装抵抗勢力はフースィー派とこれに忠誠を誓う部隊を3つの戦略拠点で打破し、一掃作戦の後、ハバシー山地区の治安局とその地域を完全に制圧し、特別治安部隊と航空防衛隊の2つの指令拠点を制圧した、と述べた。

南部ダーリア市の情報筋によると、クッバ、マフラク・ホーバル、ワブフ、ジャリーラ各地域で昨日(4日)、抵抗勢力とイッブ県から増援部隊が到着したフースィー派武装集団との間で激しい衝突が発生し、衝突はダーリア市の周辺の各地区にまで拡大したが、武装抵抗勢力がフースィー派の攻撃を阻止しフースィー派集団に物的人的被害を与えた。

イッブ県の特別治安部隊司令官がタイズへの新たな増援部隊派遣を拒否し、そのことがフースィー派に彼を罷免し新たな司令官を任命させた、とのニュースが流れているが、この背景にはフースィー派とアリー・サーレハ元大統領に忠誠を誓う司令官らとの間の不和がある。これは、これらの司令官が、最近フースィー派集団を見捨て、ハーディー大統領の正統性を支持し安保理決議に応じる姿勢を見せているためである。

イエメン外相

イエメンのリヤード・ヤースィーン・アブドゥッラー外相は昨日(4日)、アデンでフースィー派民兵と戦っている特別部隊は、2週間前に湾岸諸国での訓練から帰還した後に現地に配置されたイエメンの部隊であると述べ、外国の部隊であることを否定した。

彼らの洗練された制服や装備から、日曜日(3日)に、アラブの同盟国は、イランと連合するフースィー派とサーレハ元大統領に忠誠を誓う軍の各師団に対する数週間に渡る空爆ののち、地上部隊を派遣した、との情報が流れている。

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( 翻訳者:佐藤早於里 )
( 記事ID:37438 )