5月末に投票が行われる欧州議会(AP)のトルコ・レポートを作成したカティ・ピリ議員は、昨日5月5日に欧州議会外務委員会の会議で文書に「ジェノサイド」という文言を加えようとする議員らの試みが断念されるよう求めた。
APのトルコ・レポートを作成したオランダ人のカティ・ピリ議員は、1915年の事件に関連した文書に「ジェノサイド」という文言を加えるよう取り組み続けている議員らに、彼らが提出した修正提案を撤回するよう呼びかけた。
欧州議会外務委員会(AFET)でトルコ・レポートが取り上げられた昨日の会議でスピーチを行ったピリ議員は、先月1915年の事件から100周年を迎えるに当たりある決議が採択された事を想起し、「当然、APの一議員として私は同決議を支持している、これとともに別の決議が採択された理由はAPが、ここ10年間同案件がトルコのEU加盟交渉と無関係とする立場を取っている事にある。よって私は同修正提案の撤回を要請する」と発言した。
「アルメニア人ジェノサイド」論を強調する文言は、文書に対して提出された442項目に渡る修正提案の項目数を減らす目的で政治グループにより作成された 23項目の妥協案には記載されなかった。一方、同主張に関する提案が撤回されなかった場合、投票結果が文書に加えられるという危険性の存続をもたらす。
トルコは、こういった類の文言がレポートに記載された場合、EU加盟プロセスと「アルメニア人ジェノサイド」論の承認要求の関連付けにつながると考えており、この方向性での進展を阻止しようと努めている。
■ 辛辣なレポート
カティ・ピリ議員初めてのレポートという特色を持つ同文書の草案には贈収賄、報道の自由、司法、基本的権利及び自由、キプロス問題を含む非常に多岐にわたる批判がトルコへ向けられている。レポート作成者が最初にバランスを追及して作成した文書の論調は妥協案でより一層辛辣になった。
■ 新たな追記
レポートの初稿では記述されていなかったPKK(クルド労働者党:非合法組織)がテロ組織であるという強調、生活様式への配慮勧告及び広範囲に渡る国内治安法に対する批判が、妥協案の一環で文書に追記される予定。AFETで5月11日に投票が行われるトルコ・レポートは、今月以内にAP総会で審議・投票が実施され完成する予定である。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:37452 )