—殺人の被害者とはどのようなご関係ですかな?この女性のことについて、どのようなことをご存知かな?
—この女性(殺人の被害者)の息子のところに嫁いだ者です。私と夫、そして6歳になる娘は、夫の両親の家で暮らしています。
午後4時、義母はいつものように家事に精を出していました。義父はテレビを見ていました。私は娘と一緒に公園に行くことにしました。その時は何も起きていませんでした。言い争いも何もなく、すべてはいつものように平穏でした。公園に行った後、近所にあるショッピングセンターに行きました。そして2時間後に、わたしたちは自宅に戻りました。
ところがです、いくらノックをしても誰もドアを開けてはくれませんでした。仕方なく、もっている鍵で家の中に入りました。つけっぱなしのテレビの音がしました。しかし部屋の中には、私を出迎えてくれる人は誰もいませんでした。すぐに台所の方に行きましたが、お義母さんの姿は見えません。お義母さんたちの寝室のドアは開けっ放しでした。
何度かお義母さんやお義父さんを呼びかけましたが、返事はありませんでした。そして部屋に入ると、恐怖で身動きが取れなくなってしまいました。お義母さんが血まみれの状態で倒れていたからです。ショックでへなへなとヒザから倒れ込んでしまいました。
信じられませんでした。部屋は血だらけでした。お義母さんは血だらけの死体となって、部屋の真ん中に倒れていたのです。ぴくりとも動いていませんでした。目は見開いたままでしたが、息はしていませんでした。這々の体で、私は家の外に出て、近所の人のところに助けを求めました。
—旦那さんの父親は今どこかな?
—分かりません。家にはいませんでした。
—この殺害事件の犯人は、旦那さんの父親によるものだと思うかね?
—なんて言えばいいんですか。結局、あの二人以外、家には誰もいなかったんです。
—お互い仲が悪かったとかなかったですかな?
—ええ、よく喧嘩やら言い争いをしていました。一緒になって長いときがたつというのに、若夫婦のように喧嘩していました。
—旦那さんはどこかな?
—県の仕事に行ってます。
その時、若い女性は手で自分の顔を叩き、次のように言った。「ああ、もし夫がこのことを知ったら、発作を起こしちゃうわ。夫はお母さんのことが大好きなんです。ここにいて現場を見なくてよかったわ」。
予審判事はこの若い女性とさらにいくつか問答をした上で、彼女に家の中にとどまるよう求めた。他方、捜査官らは唯一の容疑者である被害者の夫の発見と逮捕に向けた捜索に着手した。
つづく
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( 翻訳者:41273 )
( 記事ID:37495 )