選挙委員会、クルド語選挙活動にノー―多言語法成立にもかかわらず・・
2015年05月19日付 Milliyet 紙
高等選挙委員会(YSK)は、クルド語をはじめとするトルコ語以外の言語や方言での選挙期間中のプロパガンダ活動が禁止事項から除外されているにも関わらず、物議を醸す決定に署名してしまった。ある2名の有権者が、クルド語以外の言語を知らないために、トルコ語が使用された教育ビデオのクルド語版の制作と、テレビで候補者の紹介をクルド語で行うことを要求したが、これに対してYSKは、「我々がもしあなた方の要求を承認すれば、クルド語だけではなく他の言語も承認しないとならざるを得なくなります」として彼らの意見を退けた。
■90年代を連想させる否決
有権者のディルベル・ユルドゥズさん、ズュムレテ・デミルさんの二人は、自分たちがクルド語以外の言葉を話せないことを明らかにし、YSKにそれぞれ要求を行った。二人はすべての国民と同じように選挙で助けを必要とせず投票したいと思っている。しかし、投票の方法についての教育ビデオがトルコ語のものしか用意がないことを述べ、YSKに同じビデオをクルド語でも用意してほしいと要求した。また2人は、選挙の際メディアでもトルコ語以外の言語で候補者の紹介が行われれば有権者は助かると述べた。
YSKは、90年代にクルド人に関する要求に対して公共機関から下された「そうなれば他の者たちも要求するだろう」という回答を思い起こさせる決定を下し、二人の有権者の要求を退けた。二人に同じ決定を伝えたYSKは、「教育ビデオがクルド語を使用すれば、他の言語、方言で製作も必要になってくるため、要望に応えることはできません」と回答した。
法律ではトルコ語以外の言語と方言でもプロパガンダを行う権利が認められているにも関わらず、要求が退けられたユルドゥズさんとデミルさんの二人は、平等の権利を求めてトルコヒューマン・ライツ・ウオッチと独立選挙監視プラットフォームに連絡をとり、助けを求めた。2つの組織は、YSKに異議申し立てを行ったが、YSKからは「あなた方とお話しすることはありません」との返答を得た。これを受けて、トルコ人権委員会とオンブズマン委員会に報告が上がり、権利の侵害があったことを明確にするよう要求された。請願書では、トルコが加盟する経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約に言及され、この規約に則れば他の言語による教育や候補者の紹介を承認しなければならず、また憲法に則ってこの規約が適用されなければならないことが述べられた。
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( 翻訳者:松井友紀 )
( 記事ID:37558 )