考古学協会、ヴァレンス水道橋へのAKP選挙垂れ幕に苦情申し立て
2015年05月22日付 Radikal 紙


考古学協会イスタンブル支部は、ウンカパヌにある歴史的なヴァレンス水道橋へ掛けられた大きな公正発展党(AKP)選挙垂れ幕のせいで、保護地域委員会、区選挙委員会、イスタンブル広域市へ苦情を申し立てた。

ウンカパヌにある歴史的なヴァレンス水道橋へ巨大なAKP選挙垂れ幕が掛けられた。考古学協会イスタンブル支部は、垂れ幕の除去のために保護地域委員会、区選挙委員会、イスタンブル広域市へ申し立てをした。

アクサライ・タクスィム間道の上にある歴史的なヴァレンス水道橋の全両側へ掛けられ、上にアフメト・ダヴトオール首相の絵が描かれた「トルコの決定は成長し続けること」「共にさらに強くなる」と書かれた巨大な垂れ幕が考古学者達の反発を生んだ。

考古学協会イスタンブル支部は、イスタンブル第四保護地域委員会、ファーティフ区選挙委員会、広域市へ申し立てをし、垂れ幕が物理的な破壊の原因となったこと、水道橋をプロパガンダの道具に変えたこと、街の文化遺産の重要な一部を覆い隠したという理由で、垂れ幕の除去を望んだ。

協会は、ソーシャルメディアを通じて次のような説明をおこなった。

「この水道橋の両側のほとんどすべてを閉じた垂れ幕は水道橋に多くのネジや釘のような金属道具で固定しており、ネジや針が真っ直ぐ石のブロックの上に打ち込まれているのを見た。垂れ幕は橋への物理的な破壊の原因となったと同時に、街の文化遺産の重要な部分を覆い隠して、文化財の景観に否定的な影響を与えている。さらに、全ての文化財同様、普遍的な価値をもち、公共物へ属するヴァレンス水道橋をプロパガンダの道具に変えている。この件に関し保護地域委員会、高等選挙委員会県支部、イスタンブル広域市へ必要な申し立てをおこない、文化遺産の保護に関して期待される繊細な配慮が選挙期間中もおこなわれるよう全政党に喚起する。」

■市民たちも苦情を申し立てた

ある市民が、「選挙…ここへ釘を打ち込んで何かあるのか?損害を受けると思わない」という一方で、ヤスィン・アルパイ・ジョシュクンと言う名の市民は、垂れ幕に関して、広域市、歴史建造物保護委員会へ苦情をおこなったと明らかにした。

同氏は次のように言った。
「これはイスタンブール広域市の宣伝規則に反している。規則では、『歴史的建造物を覆う、固定した広告は置けない』とある。だが、これは二度目[の苦情]である。一ヶ月過ぎたにも関わらず何ら解決しなかった。」

■歴史的建造物である水道橋

元々の名は「ヴァレンス水道橋」であり、ローマ人たちによって都市の水を確保するために建てられた建物であり、この建物の歴史は4世紀まで遡る。 ヴァレンス水道橋は、中世ではイスタンブルの水の需要を賄う最も重要な水道橋の一つとして認められている。

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( 翻訳者:岡田咲月 )
( 記事ID:37594 )