エジプト:ラマダーン中、活気づく職業
2015年06月19日付 al-Hayat 紙


■カイロのラマダーン、年中「眠っている」職業が目覚めるとき

【カイロ:ムハンマド・サーウィー】

ラマダーン月の間、エジプト人の慣習と伝統が変わる。勤務時間が変更され、断食をする者はファーティマ朝時代のカイロを模倣し、フセイン地区やバイト・フラーウィー、バイト・グーリー、バイト・スハイミーでの夜会が増える。それだけではない。いくつかの商売は活気を取り戻し、ピクルス店やお菓子屋、ジュース・スタンドが賑わい、そして、イード用の衣装を準備し始める仕立て屋も忙しくなる。

前菜の一種であり、断食中に体から失われた塩分を補うピクルス「トルスィー」のないラマダーンの食卓はほとんどない、とエジプトでは言われている。カイロの伝統地区マニヤルに店を持つアフマド・アブドゥルガワードは言う。「この職業は祖父、父から受け継ぎ、1965年にこの家族経営の店を開きました。私たちの人気の理由は、全製造プロセスにおける商品の品質に対するこだわりです。季節ごとに美味しいことで評判の地方の野菜を買い、調製にもこだわり、細かいところにも気を配ります。それは何かというと、タイムやカルダモン、白コショウ、黒コショウ、唐辛子ソース、ナツメグ、ミント、クローブなどの香辛料の調合で、さらには容器に詰め、売り物にするための用意を行うのです。」

ジュースはラマダーン中に重要な役割を果たし、常に食卓にのぼる。有名なのは、甘草、タマリンド、スブヤ、ドゥーム(パームの一種)、アスワン・ナツメのジュースだ。ムハンマド・ハサンはこれらの飲み物の現状は好ましからざることになっているとする。ラマダーンの季節のこのジュース製造の中で合成着色料や香味添加剤が添加され、このために栄養価や健康増進作用が失われた。例えば、甘草は血圧低下に悩む人に良い。この製造プロセスは数段階に渡り、まず水にさらして、次に水にひたす。炭酸ナトリウムを加えて、乾燥するまで直射日光下に置く。天然ジュースは全て保存は出来ないので、その日に作って、売る。

菓子に関しても同様で、イフタール後の食卓にはいろいろな種類の菓子がたくさん並ぶ。クナーファは、食卓の貴婦人であり、その「親友」とも言うべき「カターイフ」と共に供される。この分野での名家の子孫、ムスタファ・アフマド・ユースフ・アフマド・バイユーミーによると、それらは、エジプトにファーティマ朝が到来した際に持ち込まれた菓子であるという。

クナーファは一年中売られてはいるが、ラマダーン月の間は売り上げが大幅に上がる。バスブーサやグラース、ザラービーヤ、ラクマ・カーディーなども同じだ。

(後略)

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( 翻訳者:樫村早紀 )
( 記事ID:37892 )