(キプロスの)ギリシャ系政府のヨルゴス・ラコトリピス・エネルギー貿易産業観光大臣は、「キプロス問題が解決したら両者にとって信じられない収益をもたらす。キプロスにある天然ガス鉱床は島の電気生産の200年分に相当する」と述べた。
ギリシャ系政府のヨルゴス・ラコトリピス・エネルギー貿易産業観光大臣は、問題がない状態のキプロスの東地中海で果たす役割がより重要になるだろうと指摘し、「キプロス問題が公平で実行可能、そして機能的な形で解決されれば、投資家たちが本国にやってくるだろう。我々は皆信じられないほどの利益を得る。エネルギー、経済、観光業のすべての分野で非常に大きな収入になる。」と述べた。ラコトリピス大臣は、天然ガスが平和への手段であることを述べ、「天然ガスは戦争のための道具であってはならない。キプロスの天然ガスのみならず、地中海の天然ガスは私たちが未来へ向かうための刺激となるだろう」と述べた。ラコトリピス大臣はレフコシャ(ニコシア)南部にある同省のオフィスでミッリイェト紙の質問に答え、キプロスで指導者たちの間で始まった会談について、「慎重な形であり有望である」と述べた。ラコトリピス大臣は、「私たちがキプロス問題の解決を成し遂げれば、この地域がどれだけ安定するか考えてください。キプロスはこの地域において大きな役割を果たすことになるだろう。」と述べた。
■生産目標
ギリシャ系のエネルギー大臣は、「キプロスには非常に大きないくつかのガス鉱床がある」と述べ、「我々の天然ガス鉱床はキプロスの電気生産の200年分に相当する。もちろん探索が続くことを期待している。とりわけ炭化水素が発見されることを期待している」と述べた。ラコトリピス大臣は、天然ガス生産を2018年もしくは2020年に開始することを目標としていると説明し、「キプロス問題が解決されることを望んでいる。もし解決されなければキプロス共和国は主権を行使し続ける。解決策を見つけましょう。すべての権利が与えられるだろうキプロスのトルコ系住民たちよ。解決策を断固見つけなければならない。そのときにただ単に天然ガスだけではなくすべての天然資源がどのように運用されるか明らかにされるだろう」と述べた。
■トルコは調査を受けるべき
ラコトリピス大臣は、天然ガスが液体もしくは電気としてトルコを経由してヨーロッパに売却されることは政治的リスクを伴うと言及し、このように続けた。「トルコを経由した輸出の可能性を調査するためにはキプロス問題の解決が必要である。一部の人たちは天然ガスがトルコを通ってヨーロッパに輸出されることがよりよいというかもしれない。しかしこれが実現するためには非常に精密な技術的調査が必要である。天然ガスはトルコの海岸へは簡単に運ぶことができるが、その後どのようにヨーロッパへ持っていくのか。もしもこの選択肢が可能ならば、この選択肢を技術的、経済的にも調査する必要がある。」
■脅威の認識
ラコトリピス大臣は、エジプト、イスラエル、ヨルダンといい関係を築いていると述べ、「これらの国々はトルコに対して攻撃的な態度ではない」ことを主張した。
ラコトリピス大臣は「エジプト、ギリシャとキプロス共和国がともに行動することに合意することがトルコに対しての脅威とはならない」と述べ、以下のように続けた。
「これがなぜ脅威となるのか。トルコが正しく振る舞うならば、我々の関係は彼らとの関係にもなりうる。もしトルコのエジプト、イスラエル、ギリシャそしてキプロスとの関係が良好ではなければ、みなに罪があるのか。正当性があるのはトルコであろうか?エジプトはアラブ世界におけるリーダーである。エジプトは我々に政治的、経済的、商業的観点から関心を持っている。キプロスは自国で選挙を行う。同じようにトルコも自国で選挙を行っている。」
■「トルコの協力が必要」
ラコトリピス大臣は、「地域におけるトルコの協力は必要である。」と述べ、「もし正当な解決がなされれば、ここは平和の島、安定の島となるだろう。トルコは責任をもって行動すべきである。その強大さと力の調和をとる必要がある。我々は、キプロスのトルコ系市民たちとともに平和の中で暮らすことができる。トルコはこの努力に協力すべきだ。トルコの人々もこの問題に協力すべきだ」と述べた。ギリシャ系の同大臣はキプロスがEUの東地中海における国境地帯であることを指摘し、「近隣諸国と万全の関係があり、そしてトルコとも関係を築くことを望んでいる」ことを述べた。ラコトリピス大臣は(トルコの)タネル・ユルドゥズエネルギー天然資源大臣とローマで短時間対話したと述べ、「親愛なるユルドゥズ氏とお会いしたい。彼はよい大臣であると聞いている。キプロス共和国としてあらゆる人と会うことを望んでいる。トルコともEUの様々な形での会談を期待していた。しかし会うことができていなかった」と述べた。
■天然ガスの探索は続けられる
ラコトリピス大臣は天然ガスの調査を続け、「(イタリア系の主要統合エネルギー会社である)イタリア炭化水素公社(ENI)によって2つの調査が行われた。我々が望んでいるような結果は得られなかった。ENIは地質学的な状況を調査するために時間を必要とした。彼らは再び来て調査を続ける予定だ。イスラエルにおいて60回、キプロスでは3回だけ調査が行われた。我々には他の方法もある。合計は、目標には達しなかった。彼らは全く別の地点の調査を望み、これにも我々は許可を与えた」と述べた。
■8千万人規模の観光市場
さらに観光大臣でもあるラコトリピス大臣は「キプロスがトルコの様な大規模市場に開かれることを望んでいる」と述べた。同大臣は、トルコでは中間層が増加していることを述べ、「ただエネルギーだけを見ることのないよう、観光も非常に重要である。8千万人規模の観光客をトルコから獲得すれば、この島は楽園になる」と述べた。
■「我々の権利を放棄しない」
北キプロス・トルコ共和国の(KKTC)のハーカン・ディンチユレク天然資源大臣は、キプロスのギリシャ人が島の全てを代表しているのではないとし、「我々は我々の権利を放棄しない」と述べた。ディンチユレク大臣は、ギリシャ系住民に「調査をともに行おう」と呼びかけ、「我々の目的は共通の調査、共通の評価、そして共通の利益を得ることだ。キプロスで共同の生活を共有することを目指しているとすれば、この目標はすでにこのことを実現しつつある」と述べた。ハーカン・ディンチユレク大臣は、ギリシャ人が現在一方的に振る舞っていると述べ、「島における天然ガスは島のすべてに、つまり2つの社会に属する。ギリシャ人側はキプロス島の資源を独占的に使用し、売買することを主張し続けており、国連、EU、アメリカ合衆国はじめとした国際的な諸大国のこの件における原則に矛盾している」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:池田安奈・田浦明里 )
( 記事ID:37896 )