イランの家庭問題~疑心暗鬼生じて、生活暗闇に閉ざされる(3)
2015年06月10日付 Jam-e Jam 紙


疑念に対して私たちはどう対処すればよいのか

 心理学者で大学講師のパルヴィーズ・ラッザーギー博士は、夫婦間の疑念の原因について、次のように述べている。

しばしば疑念は恒常的な行動という形を取ることがある。つまり、さまざまな状況や時間、場所で相手に対して疑念を抱いてしまう人がいるのである。もし誰かがそうした行動を見せているのなら、それはパラノイア(妄想症)という人格障害の兆候をその人に認めることができるだろう。

こうした疑念は、家庭内でよく起きるもので、男性がその妻に対して疑念を抱くことの方が多い。心理学的な意味での敏感さは、男性よりも女性に多く見られるが、しかし猜疑心は女性よりも男性によく見られ、パラノイアという人格障害も男性に多い。

その一方で、裏切り(不倫)、別の異性を好む傾向なども、男性に多く見られる。にもかかわらず、猜疑心は男性に多く発生する。

しばしば、相手に病的な好意を寄せ、自己制御能力を失ってしまうと、その人は論理的な思考や決断ができず、自分のパートナーに疑念を抱くようになる。ときに、〔体の障害や老齢によって〕肉体的な弱さをもっていたり、自分よりも相手の容姿が端麗であったりすることも、相手への劣等感を抱く原因となる。そしてそこから、〔相手への〕疑念が生じてくるのである。

夫婦間の親密な関係が弱まったり、個人的な期待が叶えられなかったりすることも、相手は自分の個人的必要を別のところで満たしているのではないかとの疑いを抱く原因となる。また、相手が見せる疑わしい行動に、疑念の生まれる原因があることもある。

疑念のもう一つの原因としては、さまざまな時間・状況で振る舞いが変わってしまうことが挙げられる。ある時には夫婦が互いに対して愛情に満ちた行動を取っていたのに、別のときには妻ないし夫の側に楽しそうなところが見られなかったりすると、いわば「パートナーの心は別の所にあるのではないか」と、人は感じてしまうものなのである。〔‥‥〕

このように、男女が互いに対して疑念を抱くとき、あるいは疑念を抱かれるとき、様々な反応が生じるのである。


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( 翻訳者:HS )
( 記事ID:37899 )